CSRの取り組みCSRマネジメント

CSRの定義と取り組む目的

クリタグループでは、CSRを「クリタグループの社会への影響に対する責任」と定義しており、法令の遵守を前提として、以下の2つをCSRに取り組む目的と定め、企業活動、経営戦略における中核として位置付け、取り組んでいきます。

定義

クリタグループの社会への影響に対する責任

取り組む目的

  1. クリタグループと社会の共通価値を創造し最大化する
  2. クリタグループの潜在的悪影響を特定し、防止・軽減する

マテリアリティの特定

クリタグループは以下のステップにより、CSRにおける7つのマテリアリティを特定し、2030年におけるあるべき姿、堅持すべき取り組み姿勢を加えて「CSRに関する方針」として定めました。

Step1:マテリアリティの検討

GRIスタンダード、ISO26000(社会的責任に関する手引き)、経済協力開発機構(OECD)の多国籍企業行動指針、国連グローバルコンパクト(UNGC)、および持続可能な開発目標(SDGs)を参照し、計30のサステナビリティに関するテーマ群を特定した上で①ステークホルダーからクリタグループへの期待、②クリタグループが社会に与える影響、の2軸でマテリアリティを当社E&S委員会において検討しました。

Step2:マテリアリティの特定

Step1の検討結果をベースに、経営・事業活動の基礎とすべき課題と、企業理念の実現に向けた成長機会の2つのテーマから検討を重ね、7つのマテリアリティを特定しました。
さらにそれぞれのテーマについて、「2030年におけるあるべき姿」あるいは堅持すべき「取り組み姿勢」を設定しました。

Step3:妥当性の確認

E&S(Environmental and Social)委員会および当社の経営会議においてStep2で特定した7つのマテリアリティ、2030年におけるあるべき姿・取り組み姿勢について妥当性を確認し、当社の取締役会において「CSRに関する方針」として決定しました。

CSRに関する方針

クリタグループは、CSRに対する取り組みを推進するため、重点的に取り組むテーマをグループ共通の方針として以下の通り定めました。また、クリタグループは持続可能な開発目標(SDGs)を支持しており、重点的に取り組むテーマとSDGsを対応させています。

水と環境の問題にソリューションを提供し、未来への責任を果たす
重点的に取り組むテーマ 2030年におけるあるべき姿、取り組み姿勢 指標 中長期目標
目標年度
基礎
テーマ
安全、健康、環境に配慮したサービス・製品を開発、提供し、社会からの信頼を維持する。 ①新規開発品の安全性評価実施率 100% 2022年度
②「製品・サービス」に直接関わる従業員の定期安全教育受講率 100%
自由競争に基づく公正で透明な取引を維持する。また、政治、行政との健全かつ正常な関係を維持する。 役員・従業員のコンプライアンスに関する教育受講率 100% 2022年度
人権に関する国際規範を支持・尊重し、国連が定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、人権尊重の取り組みを推進する。 ①役員・従業員への人権に関する教育実施率 100% 2022年度
②現場作業に関する安全教育受講率 100%
成長機会
テーマ
すべての人々の生活と、産業の発展に必要な水を、節水・浄化・再利用技術により確保し、それぞれに最適な水質・水量で提供する。 顧客節水貢献量-自社取水量 240百万m³ 2022年度
水資源に関する問題の改善で貢献する人数※1 700百万人 2030年度
生活、産業におけるエネルギーの使用を最適化するとともに、エネルギーを創る技術を広く社会に普及させる。 顧客排出CO2削減貢献量※3-自社排出CO2 10千t 2022年度
Scope 1 および2 排出削減※4
(2019年度からの削減割合)
27.5% 2030年度
100% 2050年度
Scope 3 排出削減※4
(2019年度からの削減割合)
27.5% 2030年度
廃棄物を資源として活用する技術、廃棄物の発生量を抑制する技術を普及させ、廃棄物ゼロを目指す。 顧客排出産廃削減貢献量-自社排出産廃量 450千t※2 2022年度
水のビッグデータを駆使し、産業の生産効率と製品品質のイノベーションに貢献する。 「生産プロセスの改善・改良への貢献」に該当する商品開発テーマの件数割合 35% 2022年度
  • ※1 水資源の問題が深刻な流域において、水利用可能量、水質、および水アクセスの面で改善効果を享受する人々の数
  • ※2 顧客における環境負荷低減に貢献する「CSVビジネス」に選定された商品、技術、ビジネスモデルが増加したこと、CSVビジネスの顧客への提供が順調に進捗していることから、見直しを行いました。
  • ※3 クリタグループは、事業を通じた環境負荷低減が、事業に伴って発生する環境負荷を補い、さらに上回ることを目指し、「顧客での負荷低減量-自社での負荷量」という独自のKPIを設定しています。自社排出CO2量には、GHG(Greenhouse Gas、温室効果ガス)プロトコルの定義におけるScope1および2に加え、Scope3 カテゴリ13に該当する超純水供給事業由来のものを含みます。「顧客での負荷低減量」の考え方については「顧客における環境改善」をご参照ください。
  • ※4 クリタグループの取り組みをパリ協定に沿ったものとするため、2019年度を基準年として、SBTiが示す「Well-below 2℃水準(2℃を十分に下回る水準)」にて長期目標を設定し、Scope1、2およびScope3の削減に取り組んでいます。詳細は「クリタグループの気候変動問題への取り組み」をご参照ください。

2019年度の目標達成状況

2019年度におけるCSRに関する取り組みの実績と評価は下表の通りです。

重点的に取り組むテーマ 目標 実績 評価
2022年度
(計画当初)
2019年度
1. 安全性の高いサービス・製品を提供する ①「安全性向上」と「法改正対応」に該当する商品開発テーマの件数割合※1 15% 目標変更※1
②「製品・サービス」に直接関わる従業員の定期安全教育受講率 100% 100% 100%
2. 公正に事業を行う 役員・従業員のコンプライアンスに関する教育受講率 100% 100% 100%
3. 人権を尊重する ①役員・従業員への人権に関する教育実施率 100% 100% 100%
②強度率※2 0.005 目標変更※2
4. 水資源の問題を解決する 顧客節水貢献量-自社取水量 50百万m³ 77百万m³ 52百万m³
5. 持続可能なエネルギー利用を実現する 顧客排出CO2削減貢献量-自社排出CO2 0t -43千t 43千t
6. 廃棄物を削減する 顧客排出産廃削減貢献量-自社排出産廃量 100千t 292千t 152千t
7. 産業の生産技術を進歩させる 「生産プロセスの改善・改良への貢献」に該当する商品開発テーマの件数割合 35% 30% 37%
  • ※1 安全性向上や法改正対応のニーズは時勢により変動するため、より有効な取り組みとなるよう2019年度に見直しを行い、目標を「新規開発品の安全性評価実施率」に改定し、2019年10月から目標達成に向けた取り組みを行っています。なお、目標改定後における2019年度の安全性評価実施率は100%です。
  • ※2 定義や算出方法が国により異なることから2019年度に見直しを行い、目標を「現場作業に関する安全教育受講率」に改定し、2020年4月から目標達成に向けた取り組みを行っています。

ステークホルダーエンゲージメント

クリタグループは、顧客、取引先、従業員、株主・投資家、地域社会をステークホルダーとし、各ステークホルダーのクリタに対する期待、懸念、要請等を理解して経営に活かしていくために、ステークホルダーエンゲージメントに取り組みます。

基本的な活動指針

ステーク
ホルダー
目的 アプローチ方法
顧客 製品・サービスを通じたソリューションの提供、顧客からの信頼の獲得
  • 提案活動におけるコミュニケーションを通じ、個々の顧客の課題に対するソリューションを提案・提供し、またその評価を把握する。
  • 顧客調査を実施し、クリタグループの課題を把握する。
取引先 公正な取引、サプライチェーンにおける社会・人権・環境面への配慮
  • 調達活動におけるコミュニケーションを通じ、個々の取引先からの期待や評価を把握する。
  • 取引先アンケートの実施により、取引先全般からの期待や評価、クリタグループの課題を把握する。
  • 取引先ヘルプラインを設置し、匿名の相談・通報窓口を確保する。
従業員 人権尊重、従業員の働きがいの向上、人材育成
  • 自己申告制度などにより従業員の声を把握する。
  • 人材育成研修、女性社員向けキャリア開発支援などにより従業員の能力開発のニーズや効果を把握する。
  • 従業員幸福度調査の実施により、課題を把握する。
  • コンプライアンス相談窓口、公益通報窓口を設定し、匿名の相談・通報窓口を確保する。
株主・投資家 対話による相互理解、株主・投資家からの支持の獲得
  • 決算説明会、株主説明会、投資家向け説明会の開催、証券会社主催のカンファレンスへの参加、およびロードショーの実施により、社長と担当取締役が株主・投資家と対話する。
  • 面談や電話会議によりIR専任担当者が証券アナリストや機関投資家と個別対話を行う。
  • 統合レポート、ウェブサイト等により適時・適切な情報開示を行う。
地域社会 地域社会への貢献
  • 事業拠点がある地域において、自然保全、福祉、防災などに関する活動や、災害発生時の被災地支援を行う。
  • 水と環境に関する科学技術の振興に貢献するために設立した公益財団法人クリタ水・環境科学振興財団に寄付金の拠出を行う。
  • 各拠点への苦情等の有無および内容により、地域社会からの期待や評価を把握する。
  • WRCでの取り組みを通じて、世界各地域の水ストレス下にある流域において水資源の保全に取り組む。

※WRCについてはこちらのプレスリリースを参照ください。

CSRの取り組みの検証

CSRの取り組みが目的達成に向かっていることを、以下の情報により検証を行います。

  • アンケート・調査結果(顧客、取引先、従業員)
  • 代表的なESG評価機関における評価、およびESG銘柄への選定状況
  • 各事業拠点への苦情件数、地域社会から寄せられた謝意の件数
  • 所属している社外団体における計画の達成状況

2019年度の取り組み結果

ステーク
ホルダー
実施した主な
エンゲージメント
結果 今後の課題
顧客
  • 顧客およびサプライヤー評価機関からのCSR調査に対応した。
  • 顧客満足度調査の実施方針を見直した。
  • 全調査に対応し、サプライヤー評価機関への情報開示を進め、一定の評価を獲得した。
  • 新たな方針での顧客調査の実施を決定した。
  • 調査依頼の増加に対応するため、体制を強化する。
取引先
  • 当社の取引先に、取引の適正性を確認するアンケートを実施した。
  • 2018年度から2019年度までに国内外の取引先398社(総発注額カバー率57%)に「クリタグループCSR調達ガイドライン」を周知した。また、260社(同46%)から自己評価結果を回収した。
  • 取引先の視点から当社の問題点を確認し、是正措置を行った。
  • 自己評価の結果を踏まえ、特に改善が必要な取引先に個別指導を行った。
  • 国内外グループ会社の取引先へアンケート対象を拡大する。
  • ガイドラインの周知徹底と自己評価の対象とする取引先を拡大する。
従業員
  • クリタグループ全社員を対象に「コンプライアンス行動調査」を実施した。
  • 当社および国内グループ会社を対象に「幸福度調査」を実施した。
  • 各社・各組織におけるリスクやコンプライアンス活動成果を確認し、是正措置を行った。
  • 従業員の幸福を構成する要素の現状を確認した。
  • クリタグループに新たに加わった会社での調査を実施する。
  • 調査結果に基づく、働きがいや組織の活力を高める施策を立案する。
株主・投資家
  • ESG情報開示の改善、ESG評価機関からの調査への対応、およびESG投資家との面談を実施した。
  • ESGインデックスの構成銘柄に新規組み入れされた。
  • CSRの取り組みとその情報開示について継続的に改善する。
地域社会
  • クリタグループ各社の事業所における周辺住民からの苦情等の有無を確認した。
  • 謝意、苦情ともに0件であった。
  • 定期的な意見確認を継続する。

情報開示

当社は、CSRに関する情報をステークホルダーへ主に以下の方法で開示していきます。

  • 情報開示に関する国際規準を参照した報告書等の開示
  • 調査機関等からのアンケート・調査への回答
  • 顧客、株主・投資家からの質問・調査への回答
  • 国連グローバル・コンパクトおよびThe CEO Water Mandateに対するコミュニケーション・オン・プログレス(COP)の実施

    ※参加企業に毎年提出が求められる活動状況の報告。

推進体制とPDCA

推進体制

クリタグループは、「CSRに関する方針」に定めるテーマをマテリアリティとし、①企業統治、②製品・サービス責任、③公正な事業慣行、④人権尊重、⑤適正な労働慣行、⑥環境改善、⑦社会貢献、の分野に関する諸活動(以下、個別活動)にグループで一体的に取り組みます。個別活動を統合して推進する責任者は当社の取締役であるE&S委員会委員長とし、個別活動にはそれぞれ当社の取締役または執行役員である管理責任者を置いています。

PDCA

クリタグループは、個別活動ごとにグループ統一の中期目標と事業年度ごとの活動計画を策定し、活動目標に対する管理を行います。活動計画の決定、活動実績の評価は当社の取締役会で行います。

外部評価(2020年9月現在)

ESGインデックスへの組み入れ

FTSE4Good Index Series

英国のグローバルインデックスプロバイダーであるFTSE Russellが開発した指数です。FTSE4Good Index Seriesは、環境・社会・ガバナンス(ESG)のグローバル・スタンダードを満たす企業への投資を促進するようデザインされた株式指数シリーズです。
公式ウェブサイト

FTSE Blossom Japan Index

FTSE Russellが開発した指数です。FTSE Blossom Japan Indexは、環境・社会・ガバナンス(ESG)について優れた対応を行っている日本企業のパフォーマンスを測定するために設計されたものです。
公式ウェブサイト

MSCI ACWI ESG Leaders Index

米国のグローバル インデックスプロバイダーであるMSCI社が開発した指数です。先進国23ヵ国および新興国26ヵ国によって構成される親指数(MSCI ACWI Index)構成銘柄の中から選定された、ESG評価に優れた企業で構成されています。

MSCI World ESG Leaders Index

MSCI社が開発した指数です。先進国23ヵ国の企業によって構成される親指数(MSCI World Index)構成銘柄の中から選定された、ESG評価に優れた企業で構成されています。

MSCI日本株女性活躍指数(WIN)

MSCI社が開発した指数です。MSCI ジャパンIMI トップ500 指数構成銘柄の中から、女性活躍推進法により開示される女性雇用に関するデータおよび企業の性別多様性に関するポリシー等の情報をもとに選定された企業で構成されています。

SOMPOサステナビリティ・インデックス

日本の資産運用会社であるSOMPOアセットマネジメント株式会社が開発した指数です。SOMPOリスクマネジメント株式会社が実施する「ぶなの森環境アンケート」(環境)および株式会社インテグレックスが実施する「インテグレックス調査」(社会・ガバナンス)におけるESG評価を重要視した上で、独自に選定した企業で構成されています。

  • 栗田工業株式会社がMSCIインデックスに含まれること、および本ページにおけるMSCIのロゴ、商標、サービスマークまたはインデックス名の使用は、MSCIまたはその関連会社による栗田工業株式会社への後援、保証、販促には該当しません。MSCIの独占的所有権:MSCI、MSCIインデックス名およびロゴは、MSCIまたはその関連会社の商標もしくはサービスマークです。

ESG格付け機関からの評価

ISS-ESG

米国の議決権行使助言会社Institutional Shareholder Services Inc.の責任投資部門ISS ESGによるESG格付けにおいて、業界ごとに定められた評価基準を超えたことを示す"Prime"に認定されています。
公式ウェブサイト

サプライヤー評価機関からの評価

EcoVadis

持続可能な調達のためサプライヤーをCSRの観点から評価するフランス企業EcoVadisにより、産業セクター内上位50%の企業を示す”ブロンズメダル”に認定されています。

クリタグループ サステナビリティレポート