CSRの取り組み水資源の問題を解決する

クリタグループのアプローチ

水の偏在による水不足や産業の発展に伴う水質汚染、地下水の減少など、世界的な水に関するさまざまな問題は、気候変動と並んで最も重大な社会的課題の一つです。クリタグループは、事業活動で使用する取水量の削減に取り組むとともに、これまでに培ってきた節水・浄化・再利用技術によって、人々の生活と産業の発展に必要な水を最適な質と量で提供していきます。

SDGsへの貢献

目標と実績

クリタグループは、事業を通じた環境負荷低減が、事業に伴って発生する環境負荷を補い、さらに上回ることを目指し、「顧客での負荷低減量-自社での負荷量」を目標として設定しており、それぞれの実績値を継続して把握していきます。

2022年度目標 2020年度実績
顧客における節水量-自社での取水量 240百万m³ 97百万m³

顧客とともに

お客様の工場・事業所での節水

顧客における環境改善の推移

お客様の工場・事業所におけるクリタグループの提案による節水の実績はグラフの通りです。これらは主にボイラ・冷却水設備における循環水の水質適正管理による給水量削減や、工場排水の回収・再利用によるものです。

顧客事例

浙江卫星能源有限公司様での環境改善事例
(栗田工業(大連)有限公司の取り組み)

浙江卫星能源有限公司様は、主にプロパン脱水素(PDH)技術を用いた化学製品を製造されています。同社は、中国政府が環境保護を目的として企業に求めている「省エネ、排出削減、低炭素グリーン経済の発展」に基づき、節水や排水の削減といった環境改善に継続して取り組まれています。
同社は、生産工場で使用する冷却水の原水として工業用水を使用されています。この工業用水は季節により水質が変動するため、冷却水設備を適切に運転管理するために水質低下時期には冷却塔ブロー水量を増やす必要があり、それに伴って補給する工業用水の使用量と排水量も増加することが同社の課題となっていました。
栗田工業(大連)有限公司は、冷却塔ブロー水を膜設備で処理し、水質を冷却水設備の設計基準内に調整・再利用することで工業用水使用量を抑える改善策を提案しました。本提案は2015年に採用され、お客様は2020年末までに120万m³の工業用水使用量と排水量の増加を抑えました。本取り組みは同社が立地する地域において環境保護プロジェクトのベンチマークとなり、地方自治体から高く評価されています。2021年にも冷却塔ブロー水の回収設備を増設され、さらに49万m³/年の工業用水使用量と排水量の増加を抑えられる見込みです。

お客様の声

浙江卫星能源有限公司
苏云伟 经理

Kuritaはプロの水処理会社として、水処理設備の運転管理において優れた技術サポートとオンサイトサービスを提供してくれています。冷却塔ブロー水を回収する設備により、節水、排水量削減、コスト削減という目標を達成することはもちろん、水資源の利用効率を向上させることで社会の発展にも貢献しました。Kuritaの技術力は優位性があり価値のあるものと評価しています。

セイコーエプソン株式会社様での環境改善事例
(栗田工業株式会社の取り組み)

ブライン回収装置

プリンター関連製品の製造・販売を主な事業とされるセイコーエプソン株式会社様は、経営理念にある「なくてはならない会社」の実現に向けて、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組まれています。同社の各事業所では、同社グループにおける研究開発やTFTパネル・プリンター部品などの製造拠点であり、「環境ビジョン2050」に基づき、工場での水使用量や温室効果ガスをはじめとする環境負荷の低減に継続的に取り組まれています。
栗田工業株式会社は、生産工場で使用する超純水の製造設備から排出していた水を回収し再利用することを提案しました。超純水製造設備の一つであるRO膜設備からは給水中の塩類や不純物を多く含む水(ブライン)が排出され、その多くは排水となっています。栗田工業株式会社は、ブラインに含まれる不純物の濃度や種類から、再処理方法や工場内で再利用可能な用途を特定しました。本提案の採用により、お客様はおよそ38,000m3/年の上水使用量を削減されました。また、超純水製造設備で使用する水は生産用水の透過効率を上げるために加温しており、回収水からの熱回収効果によって、CO2排出量をおよそ26t/年削減することが可能となりました。

自社内において

自社内での取水量削減

自社での環境改善の推移

クリタグループは、各社、各事業所の特性を踏まえ、生産量や売上高、延べ床面積など、水使用量との関連性が高い項目を原単位母数として設定し、原単位での取水量削減に取り組んでいます。

クリタ・ヨーロッパGmbHでの節⽔事例

クリタ・ヨーロッパGmbHにおける
取水量の推移(m3

クリタ・ヨーロッパGmbH(以下、KEG社)は、ドイツを本拠として研究開発、水処理薬品の製造・販売を行っており、クリタグループにおいてヨーロッパから中東、アフリカ地域まで広範囲にわたる水処理薬品事業の中核となる会社です。同社Ludwigshafen工場のある工業団地では河川水を工業用水として利用しており、KEG社は河川水を水処理薬品の製造工程での冷却水に使用しています。河川水は製品などに接することなくそのまま河川に放流されますが、使用量が多く、同工場での取水量はクリタグループの2019年度における取水量の70%程度を占めており、使用量削減が課題となっていました。
KEG社はLudwigshafen工場において、冷却水使用量の多い製品の製造量低減や製造プロセス見直しによる冷却水使用量抑制などの節水策を行い、2019年度比でKEG社全体の取水量を17%削減しました。また、新たに電気式冷却設備を導入しており、これにより2021年度は2020年度比で30%以上の取水量削減を見込んでいます。

電気式冷却設備

クリタ分析センター株式会社での節⽔事例

クリタ分析センター株式会社における
取水量の推移(m3

クリタ分析センター株式会社は、超純⽔や冷却⽔の品質試験、排⽔や⼟壌などの環境試験など、国内におけるクリタグループの事業を⽀えるあらゆる分析業務を担当しています。同社厚木事業所では、さまざまな分析に純水を使用しており、取水量の削減のため、純水製造装置の運転管理最適化を栗田工業株式会社と共同で行いました。純水製造装置を構成するRO膜設備から出るブラインの原水槽への回収率を上げるとともに、原水槽の水温管理によりRO膜の透過水量を増加させ、取水量当たりの純水製造量を増やす施策により、取水量を削減しました。

※ RO膜を透過できない塩類を多く含む水。一部を回収してRO膜設備の原水としている。

RO膜設備

自社施設における水リスクの評価

当社は、クリタグループの施設における水リスクを世界資源研究所(World Resources Institute)の「AQUEDUCT」、および取水量や事業特性等の指標を用いて評価・確認しています。2021年7月現在では、評価結果から特定した特にリスクの高い9施設を水リスク低減に向けて優先的に取り組む拠点としています。

「Water Resilience Coalition」に参画

当社は「Water Resilience Coalition(WRC)」に設立会員として参画しています。WRCは、国連グローバル・コンパクトのイニシアチブの一つであるThe CEO Water Mandateが新たに設立した団体で、世界各地域の水資源の問題が深刻な流域において産業界主導で水資源の保全・回復に取り組むものです。クリタグループは、WRCへの参加を通じ、さまざまな企業や団体とともに世界の水資源の保全・回復に取り組み、SDGs(持続可能な開発目標)の達成と企業理念の実現を目指していきます。
また、当社は国連グローバル・コンパクトに参加するとともに、The CEO Water Mandateに署名しています。

目標年度 クリタグループの目標
2030年度 水資源に関する問題の改善で貢献する人数:700百万人

※ 水資源の問題が深刻な流域において、水利用可能量、水質、および水アクセスの面で改善効果を享受する人々の数

クリタグループのWRCにおける取り組みはこちらを参照してください。

環境省「Water Project」への参加

当社は、環境省の「Water Project」に参加しており、水資源の有効活用や水環境の保全に係る技術、事業活動に関する情報を、本プロジェクトを通じて発信しています。