CSRの取り組み人権を尊重する

人権の尊重

30ヵ国以上で事業を展開するクリタグループは、多様な労働環境や商習慣、取引慣行に直面しており、ステークホルダーの人権を尊重して事業に取り組む必要があります。そのためクリタグループは、人権は経営上の重要課題であるとの認識のもと、事業活動を行う国・地域において従業員をはじめとするステークホルダーに対する人権尊重の取り組みを推進しています。
またクリタグループは、こうした取り組みをグループだけでなくサプライチェーンにおいても徹底することが重要であると認識しています。そこで、調達先に対しても人権への配慮を要請し、理解と協力を求めるとともに、定期的なモニタリング調査による遵守状況の確認を行っています。

SDGsへの貢献

人権に関する基本的な考え方

クリタグループは、法令遵守および社会倫理に基づいた正しい行動を具体的に実践していくための模範を示す「クリタグループ行動準則」において、すべての役員・従業員が人権に関して遵守すべき行動を定めています。さらに、企業理念およびクリタグループ行動準則を補完するものとして、「クリタグループ人権方針」を制定しています。

方針

本方針は、栗田工業株式会社およびその連結子会社のすべての役員と従業員に適用します。さらに、本方針をクリタグループが影響を及ぼすことができるビジネスパートナーおよびその他の関係者に対しても働きかけていきます。

  • クリタグループは、「国際人権章典」に規定された人権および「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」に規定された基本的権利と原則を尊重します。また、私たちは国連が定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいて、人権尊重の取り組みを推進します。
  • クリタグル-プは、事業活動を行うそれぞれの国や地域で適用される法令を遵守します。国際的に認められた人権とそれぞれの国と地域の法令規則の間で矛盾が生じた場合は、クリタグル―プは、国際的に認められた人権原則を尊重する方法を追求していきます。
  • クリタグループは、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築して、人権への負の影響を特定し、その防止、または軽減を図るよう努めます。
  • クリタグループは、人権に対する負の影響を引き起こした場合や、負の影響に関与したことが明らかになった場合は、適切な手続きを通じて、その救済に取り組みます。
  • クリタグループは、本方針を周知していきます。また、方針の実効性を確保するため、適切な教育・訓練を行っていきます。
  • クリタグループは、人権に対する潜在的および実際の影響に関する対応について、関連するステークホルダーと協議を行っていきます。
  • クリタグループは、人権尊重の取り組み状況を企業の社会的責任(CSR)に関するレポートやウェブサイトにて報告していきます。

推進体制

クリタグループの人権に関する取り組みの推進体制は右図の通りです。主に従業員を対象とした人権啓発活動は当社の経営管理本部が、取引先に対する人権への配慮要請は当社のグループ生産本部が所管しています。

目標と実績

クリタグループの本テーマにおける2022年度の目標、および2019年度の実績は以下の通りです。

2022年度目標 2019年度実績
役員・従業員への人権に関する教育実施率 100% 100%

*2019年度の受講対象者は当社の従業員および国内グループ会社の経営層です。

主な取り組み

「クリタグループ人事管理ガイドライン」の制定

クリタグループは、グループ共通の考え方に基づいて人事管理を行うことを目的として、「クリタグル―プ人事管理ガイドライン」を制定しています。本ガイドラインでは「マネジメント開発」「誠実な雇用」「多様性の尊重」といった人事管理の基本的な考え方を定めています。本ガイドラインに沿い、国、地域、文化、風土、会社の個別状況に基づく各社の固有の人事施策と融合しながら、人事管理に取り組んでいます。

「ハラスメント防止について~パワーハラスメントを中心として~」をテーマに人権啓発研修を実施
(2019年12月)

人権啓発研修の実施

当社は、人権に対する従業員の意識向上に向けた「人権啓発研修」を継続して実施しています。また、企業経営において重要性を増す人権啓発について経営層の意識を高め、従業員と一体となった取り組み促進を目的として、当社および国内グループ会社の経営層を対象とした人権啓発研修も実施しています。

人権啓発研修の参加人数

  2017年度 2018年度 2019年度
テーマ名 LGBT LGBT ハラスメント防止
参加人数 1,669 1,947 1,714

従業員との対話

当社では、門田代表取締役社長と従業員が直接語り合う「タウンミーティング」を、2016年10月から継続して実施しています(2020年9月現在で40回実施)。クリタグループの従業員が毎回6名程度参加し、内容は「クリタらしさとは何か」「グローバルプロジェクトを展開するには」「女性を含めた多様な人材活用をどの様に捉えているか」など、企業としての在り方や事業戦略から、参加者個人の業務に対する悩みまで多岐にわたって話し合われています。

労働組合との対話

当社では、会社の健全な発展・永続を図るとともに、会社と労働組合との間に正常かつ公正な労使関係を確保し、組合員の経済的・社会的地位の向上と労働条件の維持改善のために、労使とも最善の努力をしています。具体的には、当社と労働組合との間で労働協約を締結し、経営協議会などで経営情報の共有や意見交換を行い、対話を進めています。

取引先へのCSR要請

クリタグループは、サプライチェーン全体で人権尊重の取り組みを行うためには取引先の協力が不可欠であると考えています。当社では、「クリタグループCSR調達ガイドライン」を定め、取引先に対して強制労働の禁止や児童労働の禁止、差別の排除などの基本的人権の尊重と、適切な情報の提供をお願いしています。特に発注額の大きい取引先には、本ガイドラインに基づく自己評価の実施をお願いし、改善に向けた取り組みを要請しています。

労働問題の発生状況、および対応

差別事例の相談件数

クリタグループにおける本人からの申し出による差別事例(ハラスメント含む)の相談件数は以下の通りです。人事・法務部門にて匿名性を担保した事実調査を行い、事実が確認された場合、該当者に対する指導・警告等の対応を行っています。

  2018年度 2019年度
栗田工業 2 5
国内関係会社 9 4
国外関係会社 4 0
グループ合計 15 9

従業員の人権リスク評価

当社における人権リスクの評価結果は以下の通りです。

  2017年度 2018年度 2019年度
児童労働 児童労働に関するリスクが著しい事業所の数 0 0 0
18歳未満による危険有害労働へのリスクが著しい事業所の数 0 0 0
強制労働 強制労働に関するリスクが著しい事業所の数 0 0 0

多様な人材の確保

障がい者雇用

当社および国内グループ会社では、多様な人材の確保のために障がい者の方に対しても広く雇用機会を提供しています。2013年4月には、障がい者の雇用機会を確保することを目的としてウィズ・クリタ株式会社を設立しています。同社は同年5月に「障がい者の雇用の促進等に関する法律」に基づいた特例子会社に認定されています。

当社および国内グループ会社*における障がい者雇用状況

2017年度 2018年度 2019年度
雇用人数 32.0 45.5 43.5
雇用率(%) 2.3 2.3 2.2

*障がい者雇用のグループ適用対象となる会社

外国籍社員の採用

当社は、多様な人材の確保に向けて国籍を問わない採用活動を行っており、日本への留学生を中心とした外国籍社員を採用しています。

当社における外国籍社員の雇用状況

2017年度 2018年度 2019年度
雇用人数 16 19 16

高年齢者の雇用機会確保

当社では、2006年の改正高年齢者雇用安定法の施行に合わせ、定年退職者の雇用機会を確保する制度を導入しています。雇用機会を確保する期間は定年退職(満60歳)から5年間を限度としており、2013年の高年齢者雇用安定法の改正にも対応しています。

SOGIEにおけるマイノリティ相談窓口の設置

当社および国内グループ会社は従業員(派遣員含む)を対象に、匿名での相談が可能な、社外のSOGIEにおけるマイノリティ相談窓口を設置しています。日常生活における、性的マイノリティゆえの心理的負担軽減と心理カウンセラー等の有資格者からの助言をもとに、上司、同僚が当事者へ適切に対応できることを目的としています。

  • 性的指向(Sexual Orientation)、性自認(Gender Identity)、性表現(Gender Expression)を組み合わせた用語

公正な人事制度

人事評価を受けている従業員の比率

従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出すためには、従業員一人ひとりをその役割や成果に応じて公正に評価し、評価に見合った適正な処遇と育成・活用を図る必要があります。当社では、面談により従業員が自らの成果や課題を上司と共に確認することで、評価の透明性と公平性の確保に努めています。

当社における人事評価制度の対象となっている従業員の割合(%)

区分 2018年度 2019年度
管理職 100 100
非管理職 100 100

「自己申告制度」の導入、「異動調査」の実施

当社では、担当業務と職場に関する自身の捉え方や、自身の能力開発と能力活用に関する意向を会社に表明する制度として「自己申告制度」を導入しています。上司が従業員と年1回、現在の業務に対する自らの適性、将来のキャリア形成に向けた異動希望、家族の状況などについて話し合うことを通じて、会社は本人の考えを理解し、人材育成と組織の活性化に活用しています。その他、「異動調査」により社員が希望するキャリアアップを会社に申し入れることが可能です。

働きやすい企業風土の実現

当社は、従業員が働きやすい環境の整備に向けて、仕事と家庭の両立を支援する施策を実施しています。

育児休職制度

当社では、次世代育成支援対策推進法に基づき、仕事と育児を両立しやすい環境を整備しています。育児休職の期間は、原則として子が2歳に達する日までを限度としていますが、一定の条件に見合えば延長も可能です。また従業員は、子が小学校3年生の3月末になるまで短時間勤務を選定することが可能です。

制度利用状況

2018年度 2019年度
取得者数 男性 6 21
女性 25 25
取得率(%) 男性 6 28
女性 100 100

介護休職・介護短時間勤務・介護休暇制度

当社では、要介護状態にある家族を持ち、介護休職後引き続き勤務する意思のある従業員は、原則として通算1年間(365日)を限度として、介護休職制度を利用することができます。また対象家族1 人につき要介護状態ごとに累計12カ月以内の介護短時間勤務制度の利用も可能です。さらに、要介護状態にある家族の介護その他の世話のために休暇を申出たときは、対象家族が1人の場合は年間5日間、2人以上であれば年間10日間を限度として特別有給休暇を取得できます。

制度利用状況(人)

2018年度 2019年度
介護休職制度 男性 1 1
女性 0 0
介護短時間勤務制度 男性 0 0
女性 0 0
介護休暇制度 男性 10 9
女性 5 7

看護休暇制度

当社には看護のための休暇制度があり、小学校就学までの子を持つ従業員が、負傷または疾病により子の看護を必要とした場合、1年間に子が1人であれば年間5日、2人以上であれば年間10日を限度として有給休暇を取得できます。

配偶者転勤休職制度

当社には社員が海外転勤となる配偶者に帯同し、生活面や精神面で配偶者をサポートできるよう、最大3年間の休職制度があります。

制度利用状況(人)

2018年度 2019年度
配偶者転勤休職制度 男性 0 0
女性 2 2

ボランティア休暇制度

当社には全従業員対象のボランティア休暇制度があり、年度当たり最長2日間の有給休暇を取得できます。

制度利用状況(人)

2018年度 2019年度
ボランティア休暇制度 男性 3 1
女性 2 2

女性の活躍推進

女性の活躍の推進は、日本における共通の課題です。当社における女性の平均勤続年数は16.8年と、女性が比較的長く働き続けられる環境にありますが、その一方で長い間女性の管理職への登用が進みませんでした。しかし、人口減少社会を迎えた日本において、女性の活躍を推進できるかどうかは、当社にとっても経営資源の確保に関わる喫緊の課題です。そこで当社はこの状況を改善するため、女性活躍推進法、および次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を策定し、実行しています。なお、当社は「MSCI 日本株女性活躍指数」の構成銘柄に選定されています。

当社の状況

2018年度 2019年度
女性比率(%) 管理職 1.1 2.1
従業員 14.1 14.5
女性平均勤続年数 17.1 16.8

※各年度の12月1日時点

女性活躍推進法に基づく行動計画

2018年4月から2023年3月までの5ヵ年を期間とする本計画では、取り組み目標を次の通り定めています。
・2023年4月1日時点での女性管理職数を15人以上とする。
・新卒総合職採用における女性比率を30%以上とする。
当社はこれらの目標を達成するため、①女性総合職を対象としたキャリア形成支援、②女性採用比率の向上、③女性の職域拡大、④自己申告制度を通じたキャリア開発の支援、の4つの取り組みを実施しています。

項目 実施事項
女性総合職を対象としたキャリア形成支援 女性総合職を対象とするキャリア開発のための研修をはじめとして、キャリアを積極的に形成していくための動機付けの機会を提供する。
女性採用比率の向上 新卒総合職採用活動において、採用過程の様々な場面で女性担当者との面談機会を設ける。
女性の職域拡大 女性の配属人数の少ない部署へ配属する。また、管理職の任用を計画的に行う。
自己申告制度を通じたキャリア開発の支援 自己申告制度における上司面談を活用し、その機会を通じてキャリア開発を支援する。

次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画

2018年4月から2023年3月までの5ヵ年を期間とする本計画では、以下の4つの取り組みを定めています。

項目 実施事項
就業場所の制約の緩和 サテライトオフィス(社外のレンタルオフィス)の活用促進と、就業に制約がある従業員に対して在宅での勤務を認めることで、働き方の選択肢を増やす。
年次有給休暇取得促進 年次有給休暇の取得促進策を定めて実施する。
男性の育児参画促進 育児休職の取得期間を短期間でも取得できることを周知し、男性の利用者数の拡大を図る。
育児に充てる時間の確保 育児代行サービスの利用に係わる費用を補助し、従業員の育児時間を確保する。

働き方改革

当社では、従業員の心身における健康維持と生産性向上の視点から、長時間労働の削減を中心とした働き方改革を推進しています。「心身の健康確保」「生産性の向上」「多様な人材の活躍」に向け、以下の方針に基づき長時間労働の防止に取り組んでいます。

方針

  1. 働く人の変革
    従業員一人ひとりの時間に対する意識を高め、効率的な仕事の進め方を身に付ける。
  2. 業務プロセスの改革
    業務フローや作業手順を見直し、ムダの削減と標準化を進め、効率的な業務に変える。
  3. 働く環境とルールの整備
    仕事と休息のメリハリを付けた就業ルールや柔軟な働き方を支援する環境を整備する。

長時間労働の削減

当社は、長時間労働の削減に向けて以下の取り組みを行っています。

区分 施策
勤務時間の制限 ・ノー残業デイ(水曜日)の設定
・本社施設利用時間(20時まで)の設定
有給休暇の取得促進 ・夏休み期間(6月~10月)における5日以上連続休暇の取得奨励
従業員の意識改革 ・エンジニアのための「働き方改革セミナー」の開催
・eラーニングによる「時間管理スキルの習得」「効率的な会議運営」のトレーニング実施
制度・仕組みの改定、導入 ・サテライトオフィスの導入
・勤務間インターバル制度の試行

IT機器の導入による業務効率化

当社は、エンジニリング部門の従業員にモバイル型IT機器を配付し、設計業務の効率化を図っています。具体的には、従来の紙図面による施工内容の確認をIT機器の画面や現場写真による確認に変更する共に、確認内容を社内外で速やかに共有することによって関係者間の認識の違いを無くし、手戻りを削減しました。取引先への連絡をスピーディに行うことやオフィスまでの移動時間の削減も可能となり、エンジニアの作業時間削減により創造的な業務へのシフトを実現しています。

在宅勤務の実施

クリタグループは、世界各国で新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を踏まえ、2020年2月より在宅勤務を実施しています。クリタグループの役員・従業員は、お客様への製品、サービスの提供などに必要不可欠な業務に限り事業所等へ出社するものとし、原則として在宅勤務で対応しています(2020年9月現在)。クリタグループは、役員・従業員が在宅勤務を円滑に行えるようIT環境の整備を進めるとともに、新型コロナウイルスによる事業環境の変化を機として新たな働き方を検討しています。

安全衛生

クリタグループは、事業の特性上、水処理薬品の製造・納入や水処理装置の組み立て・納入・据付など、クリタグループおよび協力会社の従業員が安全面における何らかのリスクに直面する場面が多くあると認識しています。そこでクリタグループは、「安全衛生は、事業を行う上での最優先事項である」と位置付け、クリタグループの役員・従業員、お取引先様の従業員の方々が安心して働ける職場環境づくりのために、安全確保と健康支援に取り組んでいます。

基本方針

クリタグループは、役員・従業員の安全と健康の確保および快適な職場環境づくりと改善に努めるべくグループ共通の「クリタグループ安全衛生方針」を定め、本方針に基づき安全衛生に関する取り組みを継続的に推進します。

方針

  1. 法の遵守
    クリタグループは、事業活動を行うそれぞれの国や地域で適用される安全衛生に関する法令を遵守する。
  2. 経営資源の投入
    クリタグループは、人員、設備および資金等の経営資源を投入し、安全で快適な職場環境の維持および改善を図る。
  3. 役割、権限、責任の明確化
    クリタグループは、自主的かつ継続的な安全衛生活動を行うために、グループ各社の安全衛生組織および安全衛生管理者の役割、権限、責任を明確にする。
  4. 安全衛生目標の設定および計画の立案と実行
    クリタグループは、グループ各社の安全衛生組織において、それぞれの事業内容や地域性、各国で適用される法令を踏まえた安全衛生活動の目標設定、その達成を確実にする計画の立案、事業者と従業員が一致協力した計画の実行を行う。また、実行した結果に基づく適切な見直しを行い、継続的に改善を図る。
  5. 危険・有害要因の除去・低減
    クリタグループは、リスクアセスメントを実施し、危険・有害要因を特定して改善を図り、リスクを除去・低減する。
  6. 教育・訓練
    クリタグループは、役員・従業員および協力会社に対し安全衛生に関する教育・訓練を行い、安全衛生方針および安全衛生活動の目標・計画・施策を周知徹底する。

推進体制

当社および国内グループ会社では、労働安全衛生法をはじめとする安全衛生に関連する法令に基づき、安全衛生管理体制を構築しています。当社の代表取締役専務を委員長とする労使合同の本部安全衛生委員会のもと、事業所別・部門別で安全衛生委員会(委員長は事業所長または本部安全委員会委員長の指名者)を、さらに国内グループ会社で安全衛生委員会を設置し、職場環境の整備と充実に取り組んでいます。本部安全衛生委員会の活動方針や各安全衛生委員会の活動結果は、年1回、当社の取締役会に報告されます。
また、グループ全体における製造・施工現場の安全管理機能を強化するため、2020年4月に品質管理統括責任者を置きました。品質管理統括責任者は安全に関する成果目標とプロセス目標の達成の進捗確認と評価を行い、その結果は年1回、当社の取締役会に報告されます。
現場における安全の取り組みは、当社の安全に関する専門部署である「安全推進センター」がサポートするとともに、労働災害防止策の立案と実施ならびに安全衛生委員会の取り組みのフォローを行っています。なお、国内グループ会社の安全衛生委員会のうち、労使合同の委員会を設置しているのは20社中18社です(2020年3月現在)。また、全従業員のうち、安全衛生委員会に参加している従業員の割合は、当社は0.7%、国内グループ会社は4.5%です。

  • 本社における安全衛生委員会に参加している従業員の割合

目標と実績

本テーマの目標である「強度率」は定義や算出⽅法が国により異なることから2019年度に⾒直しを⾏い、⽬標を「現場作業に関する安全教育受講率」に改定し、2020年4⽉から⽬標達成に向けた取り組みを⾏っています。
なお2019年度の強度率は「労働災害の発⽣状況」を参照願います。

主な取り組み

安全衛生委員会では、2019年度は「一人ひとりがリスクに対する危機感を持ち、自ら考えリスクを予め排除する行動を定着させる」を活動方針として掲げ、①災害対応②労働災害防止③交通事故防止④健康管理を重点施策テーマとし、取り組みを推進しました。2019年度における主な取り組み内容は次の通りです。

災害への対応

クリタグループでは、BCPの考え方をさらにグループ全体に浸透・定着させ、災害リスクへの対応力を強化するため、本部・グループ安全衛生委員を中心として、すべての事業所へ「クリタグループBCM(事業継続マネジメント)方針」の周知を徹底しています。地震災害リスクなどへの対応を行い、安全点検と災害備蓄、訓練状況の確認を国内の全156事業所で行い、継続的な改善を実施しています。

労働災害防止に向けた安全パトロールの実施

当社は、これまでの労働災害の発生状況に基づき、「薬傷」と「墜落・転落」の防止を重点取り組み事項としています。2019年度は、労働災害発生リスクの高い新規・既存の事業とプロジェクトにおける現場で外部専門家や安全推進センターによる安全パトロールを599回行い、現場におけるリスクの発見と改善、従業員・協力会社の安全意識向上を図りました。安全パトロールでは、現場での安全対策などについて点数で評価し、その結果を従業員と協力会社へフィードバックした上で、指摘事項の改善・是正まで実施しています。また、よりリアルな体感を通じて危険に対する感受性を高めることを目的として、VR(バーチャルリアリティ)教材を使った安全教育の試行も開始しました。なお、近年では現場工事の増加に伴い協力会社も増加しているため、工事着工前の安全教育を徹底しています。さらに、2017年度より海外での安全パトロールも実施しています。

安全パトロール実施件数(当社)

2018年度 2019年度
国内 449 569
海外 22 30
合計 471 599

安全教育参加人数(当社)

研修名 2018年度 2019年度
火気取り扱い教育 95 265
薬品取り扱い教育 86 500
新入社員向け安全研修 209 160
海外社員向け安全研修 32 19
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育 288 89
その他 263 50
合計 973 1,083

労働災害の原因究明と再発防止

当社および国内グループ会社において、労働中に発生し従業員が受けた2019年度における傷害の種類は、以下の通りです。発生した事故については、現場の安全を推進する、当社の専門部署で発生原因を調査するとともに、再発防止策を策定し、当社および国内グループ会社に周知しています。

当社および国内グループ会社において2019年度に発生した傷害の種類

墜転落、転倒、薬傷、挟まれ、巻き込まれ、激突され、交通事故、打撲、捻挫、挫創、切創、骨折、脱臼、熱中症

交通事故防止

当社および国内グループ会社では、お客様の工場・事業所への訪問時に自動車を使用することが多いため、交通事故防止に取り組み、ドライブレコーダーの記録に基づく危険挙動発生回数の多い運転者への周知や、運転歴の浅い従業員を対象とした安全運転実技教育の実施による技能向上を図っています。

定期健康診断の実施

当社では、従業員の定期健康診断を実施しています。対象となる全従業員の受診を徹底しています。

2017年度 2018年度 2019年度
定期健康診断受診率(%) 100 100 100

危険な業務への対応

当社では、従業員が分析や実験を行う際、有機溶剤や特定化学物質などを取り扱うことがあります。当社は従業員の危険な業務への対応として、局所換気装置や保護具の使用といった曝露防止措置を講じると共に、従業員の使用実績調査に基づく特殊健康診断を実施しています。

2017年度 2018年度 2019年度
特殊健康診断受診率(%) 100 100 100

健康増進の取り組み

当社では、従業員の健康増進に向けた取り組みとして、食生活の改善等に関する講習会や、体力年齢測定、ウォークラリーなどの健康イベントを実施しています。

2017年度 2018年度 2019年度
健康に関する講習会(回) 2 10 20
健康に関するイベント(回) 13 40 46

メンタルヘルスの予防に向けた取り組み

当社の各安全衛生委員会では、メンタルヘルスの不調・予防に向けた取り組みとして、メンタルヘルスに関する講習会を実施しています。また、労働安全衛生法に基づき厚生労働省が定めたストレスチェック制度の指針に沿って、全従業員を対象に本人の気付きを促す「ストレスチェック」を実施しています。

2017年度 2018年度 2019年度
メンタルヘルス講習会(回) 15 16 19
ストレスチェック受診率(%) 99.6 98.4 98.5

取引先へのCSR要請

クリタグループは、サプライチェーン全体で安全に事業を行うためには取引先の協力が不可欠であると考えています。当社では、「クリタグループCSR調達ガイドライン」を定め、取引先に対して法令に基づく従業員に対する安全の確保、衛生的な職場環境の確保、および従業員への労働安全教育の実施と、適切な情報の提供をお願いしています。特に発注額の大きい取引先には、本ガイドラインに基づく自己評価の実施をお願いし、改善に向けた取り組みを要請しています。

ISO45001/OHSAS18001の認証取得

クリタグループは、製造・施工現場の安全を確保し、労働災害を防止するため、ISO45001の考え方に基づく安全管理体制の整備を進めています。2020年3月31日現在におけるISO45001/OHSAS18001の認証取得状況は以下の通りです。グループ全体における取得率などのデータは「ESGデータ 社会」をご覧ください。

ISO45001/OHSAS18001認証取得会社一覧

  • クリタ(タイワン)Co., Ltd.
  • 株式会社韓水
  • クリタ・ヨーロッパGmbH
  • クリタ・トルコA.S.
  • クリタ・ド・ブラジルLTDA.
  • クリタ(シンガポール)Pte. Ltd.
  • クリタ・ウォーター(マレーシア)Sdn. Bhd.
  • P.T.クリタ・インドネシア

労働災害の発生状況

当社および国内グループ会社における労働災害発生件数の推移
なお、2018年度および2019年度における当社および国内グループ会社の業務上死亡者数は0名です。