CSRの取り組み第三者意見・第三者意見を受けて

評価意見

新型コロナウィルス感染症が世界中に蔓延し、社会における優先順位や価値観、生活様式が変化せざるを得ない状況となっています。本当に必要なもの、大切なものを選別する改革が始まっていると思われます。水を事業とするクリタグループは、インフラ基盤を支える会社として、さらに重要度を増し、事業を継続することが社会から期待されています。クリタグループでは、コロナ禍でも事業を停止せず、求められる水処理を供給し続けられました。クリタグループは現在、所有する経営資源と社会へ提供できる価値を見直し、大きく変革中です。今回のコロナ禍で、デジタル化やリモート化が一層促進され、新しい時代の企業としての陣容を整えられつつあるように思います。

クリタグループでは、顧客を通じて社会に提供する「価値」を最重要項目として組織を再編し、業績評価基準の見直しをされました。クリタグループが社会に提供するものは、水処理薬品や装置などの商品ではなく、それを使うことによって顧客が得る価値であり、その価値は顧客と共創することによって社会に提供されるものであるという考え方は、事業特性もありますが、SDGsの理念や持続可能な社会を実現していくに相応しいものです。この思考を実行するために、形式上の価値を具体化するシステムを構築されており、非常に高く評価されます。

2019年度は、中期経営計画「MVP-22」の2年目となり、クリタグループが目指すあるべき姿、価値創造モデルを実現するビジネスプロセスへ仕組みが整えられました。また7つのマテリアリティ項目については2022年度目標へ向けて着実に進められています。特に「成長機会テーマ」のうち、水、エネルギー、廃棄物の目標については、本業での貢献と結び付けての削減を目指し、2022年度目標を前倒しで達成され、より高い目標を再設定されています。その他Scope3を把握して対策を検討されるなど、自社内での削減活動も推進されています。クリタグループで推進しているCSVビジネスは、顧客をパートナーとして共に価値を創造し、それを評価するという定義によるものですが、MVP-22計画の重点施策に掲げられており、今後の拡大が期待されます。

クリタグループのサスティナビリティレポートは、CSR経営を推進するための制度や運用状況、実績などの情報がとても充実しています。また顧客とともに価値を共創する事例も紹介されており、読み手の理解を助ける内容です。今後は、一番重要なステークホルダーである従業員がクリタグループの理念や価値をどう捉え行動しているのかが見えると、より一層分かりやすくなると思います。従業員をはじめとするステークホルダーとのコミュニケーション情報も読ませていただけることを期待しています。

なお環境パフォーマンスデータの収集について、簡単なチェックをしましたが、特に重要な間違い等はありませんでした。

國部 克彦(こくぶ かつひこ) 氏

國部 克彦(こくぶ かつひこ) 氏

神戸大学大学院経営学研究科教授。大阪市立大学博士(経営学)。2014年-2016年神戸大学経営学研究科長・経営学部長、2019年より神戸大学副学長。日本MFCAフォーラム会長。ISO/TC207/WG8議長。主著に、『アカウンタビリティから経営倫理へ』(有斐閣)、『創発型責任経営』(日本経済新聞出版社)など多数。

第三者意見を受けて

取締役 経営企画本部長 E&S委員会委員長 伊藤 潔

代表取締役専務
経営管理本部長
E&S委員会委員長
伊藤 潔

國部先生には貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。

中期経営計画「MVP-22」の2年目である2019年度は、クリタグループとしてCSRを中核とする経営を更に進める年となりました。SDGsの目標とターゲットの達成に大きく貢献するCSVビジネスの取り組みを強化したことにより、「CSRに関する方針」の2022年度目標のうちの一部について前倒しで達成することができました。そこで、更に高い目標を再設定したほか、その他の目標についてもより実効性の高いものへと見直しを行いました。また、クリタグループの持続可能性を高める視点から、気候変動問題への取り組みのベースとなるScope3を新たに把握したほか、統合思考に基づく価値創造プロセスの考察にも着手しました。

一方、課題としては、國部先生のご指摘の通り、ステークホルダーの皆様との対話を更に充実させる必要があると考えています。クリタグループでは、ステークホルダーエンゲージメントにより得られた情報をCSRへの取り組みの在り方を見直す重要な手掛かりとして位置付けており、2019年度は従来実施していたお客様満足度調査の再構築と従業員幸福度調査を新たに実施しました。これらの取り組みから得られた成果をもとに、CSVのパートナーであるお客様、そして価値創造の源泉である従業員とのエンゲージメントを更に深めCSRの取り組みの深化と進化を図ってまいります。

この度のコロナ禍において、クリタグループがお客様にご提供する製品・技術・サービスはお客様の事業活動の継続に必要不可欠なものであること、そしてお客様はクリタグループに対して更に高い価値の創造を期待されていることを、役員・従業員全員が改めて認識しました。その基盤となるCSRの取り組みを今後も更に拡充させ、企業理念の実現に向け邁進してまいります。