サステナビリティ持続可能なエネルギー利用を実現する

クリタグループのアプローチ

クリタグループは、地球温暖化による異常気象や自然災害をはじめとする気候変動問題を世界共通の重大な社会的課題と捉えています。気候変動対応として、CO2排出量の削減に向けて、自社内でのエネルギー消費原単位低減に取り組むとともに、お客様の工場・事業所でのエネルギー使用の最適化やエネルギーを創る技術の普及に取り組んでいます。

SDGsへの貢献

目標と実績

クリタグループは、事業を通じた環境負荷低減が、事業に伴って発生する環境負荷を補い、さらに上回ることを目指し、「顧客での負荷低減量-自社での負荷量」を目標として設定しており、それぞれの実績値を継続して把握していきます。

2022年度目標 2022年度実績
顧客におけるCO2排出削減量※1-自社でのCO2排出量※2 10千t 249千t
  • ※1 「顧客におけるCO2排出削減量」の考え方については、以下リンク先をご参照ください。
  • ※2 「自社でのCO2排出量」には、GHG(Greenhouse Gas、温室効果ガス)プロトコルの定義におけるScope1および2に加え、Scope3 カテゴリ13に該当する超純水供給事業由来のものを含みます。

また、クリタグループの取り組みをパリ協定に沿ったものとするため、上記目標に加え、SBTi※3が示す手法に沿い、2019年度を基準年として「Well-below 2℃水準(2℃を十分に下回る水準)」にて長期目標を設定し、Scope1、2およびScope3の削減に取り組んでいます。

指標 長期目標
2030年度 2050年度
Scope 1および2 排出削減
(2019年度からの削減割合)
27.5% 100%
Scope 3 排出削減
(2019年度からの削減割合)
27.5%
  • ※3 企業に対し、気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命以前と比べ2℃を十分に下回るレベルに抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を設定することを推進するイニシアチブ。

顧客とともに

お客様の工場・事業所でのCO2排出量削減

顧客における環境改善の推移

お客様の工場・事業所におけるクリタグループの提案によるCO2排出量削減の実績はグラフの通りです。これらは主にボイラ・冷却水設備における熱効率の維持向上による燃料使用量の削減、水処理設備における回転機器類のインバーター化などによるものです。

顧客事例

段ボール製造工場での環境改善事例
(クリタ北関東株式会社の取り組み)

段ボール製品の製造工場では、段ボールシートを製造する「コルゲーター」という設備が一般的に使用されています。同設備は、段ボール原紙を金属製のロールに挟み込んで波状に形成した中芯の表と裏に紙(ライナー)を貼り付けるものです。中芯とライナーを接着剤でしっかりと貼り合わせるためロール内部に蒸気を通して中芯を加熱させており、そのため段ボール製造工場でのCO2排出量削減には、蒸気を供給するボイラ設備での燃料使用量削減が課題となっています。
クリタ北関東株式会社は、段ボール製造工場のお客様に、ロール内側の金属表面に撥水性を与えることで熱伝達率を向上させる技術の適用を提案しました。蒸気と接触する金属の表面では蒸気の凝縮により水膜が形成され、この水膜はわずかな厚みであっても熱伝達率を大幅に低下させるため、加熱温度を安定させるためにより多くのエネルギーが必要となります。今回クリタ北関東株式会社が提案したのは、この水膜を除去する技術です。本技術を適用することによりお客様はボイラの燃料をおよそ6%削減され、本技術の適用を他工場にも展開することで更なる燃料使用量削減を実現されました。

コルゲーターでの中芯とライナーの貼り付け工程

自社内において

自社内でのエネルギー使用量削減

自社での環境改善の推移

クリタグループは、各社、各事業所の特性を踏まえ、生産量や売上高、延べ床面積など、エネルギー使用量との関連性が高い項目を原単位母数として設定し、エネルギー使用原単位の前年比1%削減に取り組んでいます。

電気自動車と再生可能エネルギーへの転換を推進

クリタグループは、自社内でのエネルギー使用量削減に向けて、2022年度に営業車のガソリン車から電気自動車への転換および電力由来のCO2排出量が多い拠点での再生可能エネルギーへの転換を推進し、その結果CO2排出量を前年度比で9%削減しました。また、2022年度に稼働を開始したクリタグループの研究開発拠点「Kurita Innovation Hub」は、電源には再生可能エネルギーを100%活用しています。

気候変動問題への取り組みをTCFD提言に基づいて推進

クリタグループは、気候変動問題を世界共通で取り組むべき喫緊の課題と捉えており、事業活動に伴って発生する温室効果ガスを継続的に削減するとともに、事業を通したお客様での温室効果ガス削減に貢献しています。
今後もグループの持続的成長を実現するため、TCFD提言に基づき、当社のE&S(Environmental and Social)委員会で気候変動によるリスクと機会、事業戦略への影響について分析を行い、温室効果ガスの排出削減目標をはじめとする中期・長期の目標と施策を策定しています。
また、クリタグループにおける気候変動問題への取り組み全般を取締役会で監督する体制を確立しています。詳細は「クリタグループの気候変動問題への取り組み」をご参照ください。

  • ※ 2017年6月のTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、気候関連財務情報開示タスクフォース)の最終報告書。
    詳細はこちら(2023年度版)

経済産業省「GXリーグ」に参画

当社は、「GXリーグ」に参画しています。「GXリーグ」とは、日本政府の目標である「2050年までにカーボンニュートラルを実現する」ため、GXに積極的に取り組む企業が官・学・金融と協働し、経済社会システム全体の変革のための議論と新たな市場の創造のための実践を行う場として、日本の経済産業省により設立されました。
クリタグループはTCFD提言に基づき、事業活動に伴って発生するGHG排出の継続的な削減と、事業を通したお客様におけるGHG排出削減に取り組んでおり、GXリーグへの参画を通じて脱炭素社会の実現に貢献していきます。

  • ※ グリーントランスフォーメーション
    GXリーグの詳細はこちら

日本経済団体連合会の「チャレンジ・ゼロ」に参加

当社は、一般社団法人 日本経済団体連合会が日本政府と連携して推進する「チャレンジ・ゼロ(チャレンジ ネット・ゼロカーボン イノベーション)」に参加しています。「チャレンジ・ゼロ」とは、2023年8月現在で195の企業・団体が参加し、パリ協定で掲げる温室効果ガス排出ネット・ゼロの早期実現を 目指す活動です。

日本産業機械工業会「環境活動基本計画」への参画

当社は、温暖化対策に取り組む一般社団法人 日本産業機械工業会の環境活動基本計画に参画しており、気候変動への対応状況を定期的に報告しています。