CSRの取り組み第三者意見・第三者意見を受けて

評価意見

近年のCSRは、SDGs(持続可能な開発目標)に代表されるように、企業の社会・環境活動にとどまらず、企業全体の戦略にも関わるようになってきています。その意味で、クリタグループが2017年にCSRの観点も加味して経営理念の体系を整理され、企業ビジョンを新しくされたことは、このような動向に適合しているものです。「水と環境」に対して「価値の創造」をすることを明記され、それは2018年度からスタートする新中期経営計画「MVP-22」のなかに明確に反映されています。およそ70年続く優良なビジネスモデルを深化させ、さらにグローバル企業として発展していくため、モノ売りからソリューションへの転換、新たなビジネスモデルの創造など大きな変革を感じ取れる内容になっています。その中心にCSV(共通価値の創造)を置かれていることは、社会の中の企業の役割を十分意識されたものとして評価できます。

クリタグループの事業は、顧客企業での環境改善に資するものであり共通価値を創造しているといえるものですが、さらに踏み込んで、顧客が気付かない価値や、未来の顧客との価値についても考えることを促しています。これはCSVビジネスとして、経済価値以外の社会価値を創出し計算していくことから、可視化するものと思われます。現在企業に強く求められている社会的使命といわれる社会的課題の解決について、クリタグループの新たなビジネスモデルが求められます。

これらをCSVビジネスとして捉えるには、社会価値を評価する指標が必要となります。共通価値は抽象的な概念ですので、ビジネスの目標にする場合は、社会から支持され、しかも企業活動を活性化することのできる共通価値を具体的に定義して、指標化することが重要です。CSVの追求を核として、それと関連する形で、他のCSR活動を体系化されることを期待しています。

またクリタグループでは近年急速にグローバルでの事業拡大が進んでおり、グローバル企業としてのCSR基盤を整備されています。海外でのCSR活動はまだ国内と差があるようですが、企業としての一体感を醸成するためにも海外でのCSR活動は重要ですので、経営理念の浸透など基本的なところから始めて、社員の創意工夫を引き出すようにCSR経営を推進していただきたいと思います。

國部 克彦(こくぶ かつひこ) 氏

國部 克彦(こくぶ かつひこ) 氏

神戸大学大学院経営学研究科教授。2014年から2016年まで同研究科長。1990年大阪市立大学大学院経営学研究科後期博士課程修了。博士(経営学)。経済産業省委託「環境ビジネス発展促進等調査研究・環境会計委員会」委員長、環境省「環境会計ガイドライン改訂検討会」委員等の各種委員を歴任。ISO/TC207/WG8 議長。環境経営・会計およびCSR経営を世界的にリードする第一人者。

第三者意見を受けて

取締役 経営企画本部長 E&S委員会委員長 伊藤 潔

代表取締役専務取締役 経営企画本部長
E&S委員会委員長
伊藤 潔

國部先生には貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。

2017年度はクリタグループにとってCSR元年とも言うべき年でした。理念体系を見直し、クリタグループがステークホルダーの方々に期待されていることは何か、クリタグループにとって大切にすべきことは何かを改めて考えて「CSRに関する方針」を制定し、CSRを経営の中核として定めました。また、2018年度からスタートした新中期経営計画では、CSVを最も重要な経営の方向性に位置付けています。

考え方と方向性は決まりました。これからは実践です。そのためには、社会的課題の解決に視点を置いた事業活動を遂行し、共通価値を生み出していけるよう、我々自身が意識と行動を変革していく必要があります。また、CSR経営を推進し、グローバル企業として責任ある行動を取るためには、ご指摘いただいた通りグループ内で意識を共有することが必須であり、引き続き「CSRに関する方針」とCSVをグループ内へ浸透させていきます。

クリタグループの企業理念は社会的課題への取り組み姿勢そのものを表しています。今後も水に関する知見を活かし、社会的課題の解決とクリタグループの成長を両立していきます。