Press Release

2018年

2018年11月5日

水資源問題の解決に貢献する「再生水供給サービス」を開始
~排水回収システムの設置から運転管理、メンテナンスまで全て当社が実施することで
「水の回収・再利用」の価値をグローバルに提供する~

栗田工業株式会社(本社:東京都中野区 社長:門田 道也)は、産業の発展と人々の生活に必要な水を確保し、水資源を有効活用する取り組みとして「水の回収・再利用」を推進しています。
このたび、提供を開始する「再生水供給サービス」は、工場で発生する多種多様な排水を回収し、製造工程等で再利用可能な水質まで浄化した水(「再生水」)を、お客様に供給する新たな「水供給サービス」です。当社が新たに開発した標準型排水回収システム「CORR®システム」をお客様の敷地に設置し、運転管理からメンテナンスまでの全てを当社が実施し、安定した水量・水質で再生水を提供することで、お客様の水資源問題の解決に貢献します。

工場の排水は、周辺環境に影響を与えない水質に処理し、下水道や河川に放流されています。この工場排水を「再生水」として再利用することで、お客様は水使用量の削減はもとより、上下水道料金の削減などの経済効果を創出することができます。日本国内では、水使用量の多い産業を中心に排水を再利用するお客様が増えつつあり、今後さらに多種多様な産業への展開が期待されています。海外では、人口の増加や都市化、工業化の進展などにより、経済成長の著しい新興国などで水不足が深刻化しており、排水の再利用ニーズが急速に拡大しています。

当社は水資源の有効かつ持続的な活用を目指し、これまでに様々な産業のお客様に排水回収システムを納入し、液晶パネル工場では製造工程の排水を100%リサイクルするなど、工場排水の再利用を高いレベルで実現してきました。しかしながら、工場排水は水質負荷が高く、水質変動の幅が大きいことから、システムを構成するユニットや使用する薬品種が多くなり、排水回収システムを安定的に運転し、維持管理することや、イニシャルおよびランニングコストを低減することが、お客様の課題となっていました。
これに対し、標準型排水回収システム「CORR®システム」は、当社が培ってきた排水回収技術や運転管理ノウハウを駆使し、水処理薬品・装置、双方の技術を最適に組み合わせることで、前処理装置 + 脱塩装置から成るシンプルな構造を実現し、コンパクトな設置スペース(従来の当社装置比25%)と独自の薬品技術による安定運転を可能にします。

新たに開始する「再生水供給サービス」は、この「CORR®システム」を当社資産としてお客様の工場敷地内に設置し、運転管理からメンテナンスまでの維持管理業務を一括で請け負うことにより、お客様が求める水量、水質の「再生水」を供給水量に応じた料金で提供するとともに、IT・センシング技術を活用した遠隔監視により消耗品の洗浄・交換時期を予測して運転管理とメンテナンスを最適化するものです。本サービスにより、上水等の使用量や下水への放流量を最小化することで「水ユーティリティコストの削減」を図ることができ、「設備投資の低減(初期投資が不要)」、「運転管理・メンテナンス労務の解消」、「水処理に関わる人材不足の解消」など、様々な価値をお客様に提供します。
また、既に展開している当社の純水供給サービス「KWSS®(*)」と組み合せることで、純水の供給から排水の回収と再利用まで工場全体の水処理プロセスにおけるトータルコスト削減にも寄与することができます。

当社は、本年4月にスタートした中期経営計画「MVP-22(Maximize Value Proposition 2022)」において「水資源問題の解決」「持続可能なエネルギー利用の実現」「廃棄物の削減」「産業の生産技術進歩」を重点的に取り組むべき社会的課題と捉え、社会との共通価値の創造に注力しています。
地球規模での水資源問題の解決に向けて、今後は「再生水供給サービス」をあらゆる地域、業種のお客様に適用することで、「水の回収・再利用」による価値をグローバルに提供していきます。

クリタグループは、人々の生活と産業の発展に必要な水を確保し、有効活用するための取り組みをこれからも続けてまいります。

<補足資料>

SDGs(持続可能な開発目標)への貢献

クリタグループは水資源問題の解決に取り組んでいます。お客様への本サービスの提供を通じて「水の回収・再利用」を推進し、SDGsが示す目標6の達成に貢献していきます。