Press Release

2000年

2000年10月12日

有機性廃棄物資源化プラント実証試験開始の件

栗田工業(株)(社長:三東崇秀)は、有機性廃棄物を処理対象とした資源化プラントの実証試験を開始します。本試験は、鹿児島県屋久町と鹿児島大学の協力を得て行うもので、同町内にパイロット・プラントを建設し、町内で発生する、家畜ふん尿・生ごみ・紙類・食品残渣などを焼却することなく、メタンガス、たい肥および炭化物として資源化することを目的とします。本試験の期間は平成12年度から14年度の3年間。試験に供する技術は、有機性廃棄物を高効率で発酵する「乾式メタン発酵技術」と、有機性の汚泥などを連続して炭化する「連続高速炭化技術」の2つです。処理プロセスとしては、乾式メタン発酵処理によって、有機性廃棄物(0.7t/日)からメタン(36Nm3/日)を生成させると共に、発酵残渣を連続高速炭化処理することによって、炭化物を得るものです。本試験では、得られたメタンガスによる発電試験(14kW)も実施いたします。なお、発酵残渣はたい肥として農業での利用が可能であり、炭化物は本試験中に土壌改良材や吸着剤、建築ボード、農業資材などへの利用を検討いたします。本試験に供する「乾式メタン発酵技術」は、以下のような特長を持ちます。

  1. 発酵槽内の固形物濃度が15~40%と、湿式法(固形物濃度3~8%)の約2~10倍と高いため、高負荷の運転が可能。
  2. 水で希釈せず、固形物のままで処理が可能。
  3. 槽内に撹拌装置が無く、運転管理・メンテナンスが容易。一方、「連続高速炭化技術」は、以下のような特長を持ちます。
    1. 多段式の装置構成のためコンパクト。
    2. 高含水率の有機性廃棄物であっても炭化処理が可能。
    3. 炭化排ガスの処理も万全で、ダイオキシン、NOx、SOxを排出しない。

当社は、本試験によって得られる成果を、「ごみ処理」「家畜ふん尿処理」「食品廃棄物処理」などの従来の枠組みを超えた、実際の地域の状況に即した新しい環境事業に活かしていく予定であります。

以上

乾式メタン発酵施設

【乾式メタン発酵施設】