2001年
2001年7月6日
国内初 商取引に伴う土壌汚染リスク低減の専門事業会社設立
栗田工業株式会社(本社:東京都新宿区、社長:三東崇秀)は、国内で初めて、土壌汚染に係わる様々な難しい問題を解決する仕組みを提供する新会社「ランドソリューション株式会社(英文社名:Land Solution Inc. 以下LS社)」を共同で設立します。当社は、土壌汚染を単に技術的な課題として捉えるのではなく、すべての土地に内在するリスク要因として捉えることで新しい市場を創造する事ができないか、またこれを事業として成立させることを通じて、日本国内の環境負荷低減、土地流動化への寄与を実現できないか3年間深く考え、様々な方と協議してきました。そして今回の新しいスキームによりこれら狙いを実現することができると判断し、LS社を設立します。新会社の設立にあたっては、この主旨にご賛同いただいております日本政策投資銀行、同和鉱業(株)をはじめ、各業界の代表的企業から出資参加いただきました。新会社では各社のスキル・ノウハウを持ち寄ることによって、従来の調査・浄化会社等にはない、土地保有者およびその利害関係者が商取引の中で、土壌汚染リスクを低減するために必要な機能を総合的に提供していきます。LS社設立の背景には、土壌汚染問題が環境問題としての側面だけでなく、土地の流動化ならびに取引の円滑化を妨げる要因として、さらには資産価値・企業価値の低下をもたらす要因として無視できなくなってきているという社会的な状況があります。また、これらの問題の解決には高い専門性を必要とするため、土地を所有されている方々および一般商取引に関わっておられる方々が独自に適正な対処を行うのは困難でした。そこで当社は、潜在的な土壌汚染リスクを顕在化・定量化することによってハンドリング可能としたうえで、一般商取引に土壌汚染リスクを組み込む仕組みを作り、汚染土壌の調査・浄化ビジネスを、すべての土地保有者およびその利害関係者が対象となりうる新たな市場として成立させることをねらって、新会社の設立を構想いたしました。この構想を具体化したLS社は、約10年間にわたって培った汚染土壌の調査・浄化事業のノウハウを持つ当社と、銀行・損害保険・証券・不動産など、土地取引に係わる特有の機能を持った各企業とがアライアンスを組むことによって多様なニーズに的確に応えられる企業体として、わが国で初めて誕生するものです。
LS社の主な業務
- 1)土壌汚染評価システムの維持・運営(ニーズにあわせて4段階設定)
- 2)土壌汚染調査・浄化工事の紹介・請負(最適業者の選定・適正化)
- 3)不動産売買支援(土壌汚染に関する損害賠償保険の販売、汚染リスクのある用地の再開発プランの策定および売却スキームの紹介等)
当社ならびに出資各社は、LS社を核とする事業構想の実現によって、潜在的な土壌汚染リスクを健全な形で顕在化させ、単に土壌浄化事業とされていた事業を環境修復産業へとステップアップさせ、わが国の環境負荷低減と経済再生にも貢献することに挑戦します。そして、この目標を達成するため、今後もさらに業務提携等により仲間を増やし、土壌汚染評価システム等についてのディファクトスタンダードにしていきたいと考えています。
以上
<添付資料>LS社の概要
- 社名
ランドソリューション株式会社(英文社名:Land Solution Inc.) - 設立年月日
平成13年8月1日 - 代表者
代表取締役 知野 進一 - 住所
東京都新宿区西新宿三丁目2番26号 立花新宿ビル3階 - 資本金
450,000,000円 - 出資会社
- 栗田工業株式会社
- 日本政策投資銀行
- 同和鉱業株式会社
- 株式会社東海銀行
- 株式会社あさひ銀行
- 野村證券株式会社
- 安田火災海上保険株式会社
- 中央三井信託銀行株式会社
- 株式会社ザイマックス
- 株式会社イー・アール・エス
- イー・アンド・イー・ソリューションズ株式会社
- 人員
役員5名、スタッフ10名強、計15名強 - 業務協力予定先(協力概要)
財団法人日本不動産研究所(評価システムの運営) - 業務提携予定先(提携概要)
三井不動産株式会社(評価システムの採用、土地活用プランニング、土地売却)
株式会社リクルートコスモス(同上) - 事業展望
3年間で事業成立のメドをつける。5年後スキーム全体の取り扱い総額として数百億円規模にすることを目指す。