オフィスから家庭まで、私たちのあらゆる生活シーンで使われている紙。紙・パルプ産業では大量の水を必要とし、その最前線で水を究めるクリタの技術が貢献しています。
昔から、水は紙づくりとは切っても切れない関係にあります。紙パルプ工場では紙1トンを生産するために、およそ50トンもの水が使われています。紙づくりは、まず木材や古紙を水の中で薬品と反応させることで繊維を取り出し、紙の元となるパルプ作りから始まります。次に、そのパルプを水に溶かして汚れなどを取り除いた後、水分を抜いて乾燥させながら薄いシート状にしていくことで、紙ができます。
そんな紙づくりの各工程において、クリタの技術はどのように役立っているのでしょうか。
パルプの製造工程では、炭酸カルシウムなどのスケールや、ピッチ(木材や古紙に含まれている粘着物質)が原因で発生する紙切れや穴あきなどの障害を防止するための「スケール防止剤」や「ピッチコントロール剤」などの水処理薬品が使われています。
また、紙すきを意味する抄紙工程では、パルプを溶かした水の中の菌やカビを取り除いて品質を高めるための「スライムコントロール剤」や、水分を抜けやすくして処理速度を上げて生産効率を高めるための「歩留・ろ水性向上剤」などが用いられ、クリタの水処理薬品は紙づくりの現場において、様々な用途で役立てられています。
近年では、環境への配慮から、水の再利用や古紙を原料とする割合が増えているため、紙に染みができたり、製造途中で紙が切れてしまう可能性も高まっています。これらのトラブルを防ぐために、水処理薬品の重要性はますます高まっています。
クリタはそんなお客様の様々なニーズに応えていくために、薬品の効果が最大限に発揮されるよう、プロセス内の水質や水バランス、障害を分析した上で、最適な薬品処理を提案し実現しています。
これからもクリタは、水処理を通してお客様が取り組む品質・生産性向上はもちろん、CO2 削減や環境負荷低減に貢献することで、紙・パルプ産業の未来への歩みをしっかりと支え続けていきます。