Press Release

2014年

2014年4月25日

船舶向け「バラスト水処理システム」を開発し、IMOの基本承認を取得
~薬剤により水生生物を確実に殺滅、シンプルな装置構成で施工が容易~

栗田工業(本社:東京都中野区 社長:中井 稔之)は、このたび、船舶を安定させるため船内に取り込む「バラスト水」の処理システムについて、国際海事機関(International Maritime Organization、以下IMO *1)が「活性物質を使用するバラスト水管理システムの承認手順(G9)*2」で定める基本承認を取得しました。

バラスト水については、水中に含まれるプランクトンや菌類等の水生生物の越境移動による海洋環境への影響が懸念され、「バラスト水管理条約」が採択されています。
これに対し、当社では用水・排水処理事業で培ってきた、装置、薬品、分析の技術、知見を活かし「バラスト水処理システム」の開発に取り組んできました。このたび基本承認を取得したシステムは、バラスト水をフィルターろ過せずに薬剤のみで殺滅処理(バラスト工程)、中和処理(デバラスト工程)するもので、世界中の多様な水質の処理や将来の規制強化に対しても薬剤の添加量調整で確実な対応が可能です。また、機器構成がシンプルで配置自由度が高く、大規模な改造が不要のため、特に就航船の定期点検期間中に施工できます。

当社では、本年度中にIMO最終承認、型式承認(*3)を取得することを目指しており、薬品、装置、メンテナンスのグローバルなサービス体制を構築し、販売を開始する予定です。

  • *1IMOは、船舶の安全および船舶からの海洋汚染の防止等、海事問題に関する国際協力を促進するための国連の専門機関。
  • *2活性物質を使用するバラスト水管理システムについて、活性物質の承認、および船舶の安全性、人の健康および水生環境に関し、バラスト水管理システムでの適用を承認する手順。
  • *3バラスト水処理システムは、IMOの「活性物質を使用するバラスト水管理システム承認手順(G9 )」の基本承認と最終承認を取得するとともに、「バラスト水管理システムの承認に関するガイドライン(G8)」に基づき各国主官庁の型式承認を取得することが規定されている。