Press Release

栗田工業株式会社（本社：東京都中野区　代表取締役社長　中井 稔之）は、製紙・パルプ産業のお客様の課題解決をさらに推進するため、クラフトパルプ(*1)の洗浄工程用消泡剤「クリレス140 シリーズ」などを新たに商品化し、パルプ製造向けプロセス薬品のラインナップを拡充しました。

現在、パルプ製造において、メーカー各社は、ユーカリやアカシアに代表される植林木への原料転換を推進されています。森林資源の保護や温暖化防止など地球環境に配慮した取り組みである一方、製造プロセスには課題もあり、当社ではこれら植林木使用に伴う技術課題の解決に貢献する商品開発に取り組みました。
このたび販売を開始した新商品の一つが、パルプの洗浄工程で使用する消泡剤「クリレス140シリーズ」です。パルプ製造の過程では、木材チップから分解・抽出される樹脂成分が発泡し、生産機器や製品への障害の原因となります。特にパルプ中の異物を除去し洗浄する工程では泡立ちが発生しやすく、洗浄機の脱水不良をもたらすため、パルプ製品の品質や生産性の悪化に与える影響が大きいものです。
また、植林木は含有する樹脂分が多量であることから、天然木と比べて中間製品の発泡性が高まるという課題がありました。「クリレス140シリーズ」は、植林木の樹脂分由来の発泡抑制を目的に開発したシリコーン系消泡剤で、高温・高アルカリ下でも優れた即効性と持続性を発揮します。さらに、シリコーン成分が凝集し、パルプ製品への混入・付着することも抑制し、パルプ製品への影響だけでなく、印刷時や塗工時のハジキや、ラミネート加工時のハガレ・フクレを防止するなど、紙・板紙最終製品の品質向上にも寄与します。
植林木に対応する洗浄工程用のプロセス薬品としては、さらにパルプ中のピッチ(*2)を抑制して製品品質を向上させる「クオリライト50シリーズ」を提供するとともに、パルプシートの製造工程における濾水性向上剤やシート製品の防カビ剤などの新商品も加え、パルプ製造向けの商品ラインナップを拡充しました。

今後当社では、これらの商品ラインナップを活かし、お客様の生産性・品質の向上、環境負荷低減などに貢献する総合的な課題解決を実現していくことで、国内外における製紙・パルプ産業向けの事業展開を強化していきます。

• *1クラフトパルプ：木材をチップにして、薬品添加・熱処理などを行いパルプを製造する方法。また、当該製法により製造されるパルプの呼称。
• *2ピッチ：パルプ原料に含まれている樹脂成分や汚れ、異物が凝集したもの。
• ※「クリレス」、「クオリライト」は栗田工業の登録商標です。

＜パルプ製造向け　当社商品ラインナップ＞

* このたび開発した新商品