Press Release

2013年

2013年11月26日

焼却施設向け酸性ガス処理剤「ハイパーサーE-200」を販売開始
~ガス処理性能と重金属の長期固定化効果を高め、環境負荷低減に貢献~

栗田工業株式会社(本社:東京都中野区 社長:中井 稔之)は、焼却施設から排出されるガス中に含まれる酸性成分の除去性能を強化したガス処理剤「ハイパーサーE-200」(以下「ハイパーサーE」)を新規開発し、販売を開始しました。

「ハイパーサーE」は、従来品であるアルカリ系粉末(消石灰)を主成分とした処理剤と比べて焼却ガス中に含まれる塩化水素(HCl)の除去性能を向上させたことにより、必要添加量を削減するとともに、焼却時の酸性成分変動が大きい施設においても安定的なガス処理を可能にします。
さらに、焼却ガスに含まれる飛灰の重金属溶出防止処理においては、飛灰のアルカリ度を消石灰に比べ3割以上低減*させる効果があり、重金属類の溶出を防止するための無機リン酸系固定剤(弊社商品名:「アッシュナイトR」)を効率的に反応させます。消石灰はアルカリ度が強く、「アッシュナイトR」の効率的な反応を阻害する要因となっていましたが、「ハイパーサーE」はより幅広い焼却施設に対して、重金属類の長期固定化に優れた「アッシュナイトR」の適用を可能にしました。

弊社ではこれまで、大気汚染防止法などの定めにより、焼却ガスに含まれる硫黄化合物(SOx)やHClなど酸性物質の処理において高い除去率(95%以上)を要求されるお客様に特化したガス処理剤「ハイパーサーB」と飛灰の重金属処理剤「アッシュナイトR」による処理を組み合わせて、お客様にコストメリットを提供してきました。一方、今回新発売した「ハイパーサーE」は、従来は消石灰が適用されている高い酸性物質除去率を必要としない焼却施設においても、より効率的で安定的な処理とコストメリットを提供できるようにしたものです。

「ハイパーサーB」「ハイパーサーE」と「アッシュナイトR」によって、焼却施設におけるガス処理と飛灰処理の両面で、環境対策のための薬品使用を最適化するとともにトータルコストの抑制が実現できます。当社では、幅広い水処理薬品・環境薬品の技術や制御技術などを通じて、お客様の設備の安定的・効率的な運転管理の実現と環境負荷低減のニーズに総合的に応えてまいります。

  • *当社調べ
  • ハイパーサー、アッシュナイトは栗田工業株式会社の商標です。

別紙

重金属の固定化処置について

焼却施設では排出する焼却ガス処理の後段で、ガスから捕捉した飛灰の処理が必要になります。飛灰は鉛などの有害な重金属を含んでおり、廃棄物処理及び清掃に関する法律(廃掃法)にもとづいて、飛灰から重金属が溶出することを防ぐための処理を焼却施設内で施します。
「アッシュナイトR」は、この溶出防止(不溶化)のための無機系重金属固定剤で、飛灰中の重金属を安定な物質として結晶化させることが特長であり、6年間の酸性雨を想定した試験でも重金属が溶出しないデータが得られています*。「ハイパーサーB」および「ハイパーサーE」はいずれも、ガスへの添加量の多寡やガス処理後の飛灰への残存度にかかわらず、飛灰のpHを一定範囲に維持することができ、重金属固定のため「アッシュナイトR」を効率的に反応させます。

  • *当社調べ
  1. 飛灰 ・・・ごみなどの焼却に伴い生成した灰や重金属類の一部。焼却ガス中に移行した後、集じん装置によって飛灰として捕集される。
  2. pH ・・・水素イオン指数。酸性・アルカリ性の程度を表す指標であり、数値が大きいほどアルカリ性が高い。