Press Release

2012年

2012年2月28日

「RO膜処理向け 水処理薬品」のNSF認証を取得
~海外市場で安全性の高いRO膜処理薬品の拡販を推進~

栗田工業株式会社(本社:東京都新宿区  社長:中井稔之)は、RO膜(逆浸透膜)処理向けの水処理薬品について、飲料水に関する国際的な安全衛生規格であるNSF*1の認証を取得しました。
NSF認証の取得は、海外を中心に飲料水の製造プロセスで用いられる機器・薬品類に求められており、当社グループではRO膜装置を利用するプラント向けに拡販を進めていきます。

RO膜は半導体・液晶の製造に必要な超純水製造装置や、海水を飲料化する淡水化施設、各種工場における排水回収・リサイクルなどの分野で広く使用されています。RO膜処理薬品は、膜のろ過性能を低下させる原水中の懸濁物質除去やスライム*2、スケール*3の発生を防止する効果があり、RO膜装置の性能を維持し、運転管理コストの低減に有効な薬品です。当社グループでは前処理用の凝集剤、スライムコントロール剤、スケール防止剤などを販売しており、また、冷却水処理薬品や超純水製造装置のメンテナンスなどで培った技術を活かして、製品の付加価値を高める取り組みを進めてきました。(「クリタのRO膜処理薬品(NSF認証取得品)」を参照)

このRO膜処理薬品の中で、今回NSFの認証を取得したのは、膜表面へのスライム付着を抑制するスライムコントロール剤「クリバーターIK-110*4」です。本薬品は、RO膜の表面に付着したスライムを剥離させる機能を利用した新しいタイプの製品で、また、安全性の高い素材を使用していることから、RO膜装置の運転を継続したまま効果を発揮できるスライムコントロール剤として世界で初めてNSF認証を取得したものです。
これまで飲料水製造分野においてRO膜に付着したスライムの除去は、RO膜装置を停止させ、RO膜を薬品に浸漬して殺菌洗浄する方法が用いられていましたが、クリバーターIK-110はその安全性とともに、RO膜装置の連続運転を両立させ、飲料水製造にかかるRO膜装置の効率的な稼働と維持・管理コストの低減に寄与できるもので、海水淡水化施設をはじめ、飲料・食品工場などにおいても適用の広がりが期待できます。

クリタグループでは、今回認証を取得したスライムコントロール剤のほかにも、既にRO膜の前処理用凝集剤およびスケール防止剤でも同様にNSFの認証を得ており、RO膜処理薬品の主たる製品でNSF認証を取得したことになります。当社では今回の認証取得により、特に飲料用途向けの海水淡水化施設を中心にRO膜処理が広がる国・地域および市場において拡販を進めていきます。

以上

  • *1:NSF
    NSF(NSFインターナショナル)は、公衆安全衛生に関する国際的な第三者認証機関であり、飲料水、食品に係わる安全衛生規格に基づく製品認証やマネジメントシステムの審査・登録などを行っている。飲料水処理薬品は、NSF規格「ANSI Standard60(Drinking Water Treatment Chemicals)」に分類されている。
  • *2:スライム:水中の細菌や藻類など微生物により形成された汚濁物。
  • *3:スケール:水中に溶け込んでいるカルシウムなどが析出し、固まったもの。
  • *4:NSF認証登録名は「KURIVERTER IK-110」。
  • 「クリバーター」「KURIVERTER」は栗田工業の登録商標です。

<クリタのRO膜処理薬品(NSF認証取得品)>