Press Release

2009年

2009年9月18日

次世代半導体の品質安定化要求に応える高機能樹脂・膜精製工場が完成

栗田工業株式会社(本社:東京都新宿区 社長:齊藤 浩)は、半導体・ウェハ製造メーカーからの超純水の更なる高純度化および品質安定化要求に応えるために、次世代クラスの超純水向けの高機能樹脂(イオン交換ポリッシャー)および高機能膜(UF膜モジュール)の精製を行う専用工場を、当社の静岡事業所内に建設しました。
本工場の完成により、イオン交換ポリッシャーおよびUF膜モジュールにおいて、次世代クラスの超純水水質である「金属イオン濃度0.1ppt以下」の「出荷時性能保証」を、世界で初めて実現しました。

1. 新工場建設の背景

近年、半導体の微細化・大容量化の進展に伴い、超純水の更なる純度向上と水質の安定化が求められています。特に32nmクラス以降の最先端の半導体の製造には、超純水中の金属イオン濃度を0.1ppt以下のレベルで安定化させることが必須条件となってきています。このようなお客様の高純度および品質安定化ニーズに応えるため、超純水製造システムの構成機器の充填材であるイオン交換樹脂・UF膜についても、品質の向上が課題とされていました。
通常、これらのイオン交換樹脂およびUF膜を使用する場合、新品時に樹脂や部材に含まれる未重合成分などの不純物が、超純水の汚染原因となるため、出荷前に清浄度を高める精製が必要とされていました。また超純水製造システムに充填した際も、不純物が溶出し、水質が安定するまでに、一定の時間が必要とされていました。

2. 新工場「高機能樹脂・膜精製工場」について

新工場である「高機能樹脂・膜精製工場」は、世界に先駆けたクリーンな環境での製造体制と超微量金属の測定・検査体制の両面を充実させています。本施設で精製された高機能樹脂・膜は、清浄度が極めて高く、品質が安定した製品として市場に供給されます。
本工場では、原料受入から精製・保管・計量・混合・充填・検査までの全ての工程を、外気に接触しない「ライン輸送」とし、銘柄毎に「専用ライン化」することで製造段階における汚染要因を徹底的に排除しました。一方、出荷時検査は、専用のクリーンルームに直接ラインで送り、超微量金属イオン分析の水質検査を行うなど、品質管理を徹底しています。

以上

<補足資料>

◆「高機能樹脂・膜精製工場」の概要

  1. 名称
    高機能樹脂・膜精製工場
  2. 設立
    2009年4月
  3. 所在地
    静岡県榛原郡吉田町川尻1060静岡事業所内 TEL:0548-33-1211
  4. 設備
    鉄骨4階建、延べ床面積約2600m2、クリーンルーム完備
  5. 工場人員
    30名
  6. 製品
    機能樹脂(イオン交換ポリッシャー)、高機能膜(UF膜モジュール)、機能水精製装置 等
  7. 出荷開始(予定)
    2009年9月
  8. 写真

高機能樹脂・膜精製工場外観
▲高機能樹脂・膜精製工場外観

分析風景
▲分析風景


樹脂精製
▲樹脂精製