Press Release

2002年

2002年11月27日

<世界初 高濃度塩対応!> 栗田工業とコマツ、超臨界水酸化装置を共同開発

栗田工業(株)(社長:三東崇秀)とコマツ(社長:坂根正弘)は、各種の廃液、廃棄物、汚泥を完全分解、無害化できる究極の処理技術である超臨界水酸化装置の実用機開発に成功しました。両社は、この処理システムを、商品名「アクアフレーム(AquaFlame)」として製造・販売する事業を共同で展開していきます。

超臨界水酸化(SCWO : Supercritical Water Oxidation)技術は、臨界点(374℃、22 MPa)以上の温度・圧力の水の中で、有機物を水と炭酸ガスに酸化分解する技術です。社会問題となっているダイオキシンやPCBなどの有害物を無害化できる技術として、注目されてきました。しかし、反応過程で発生する塩の堆積による装置の閉塞、装置本体の腐食、といった技術課題のために実用化が進んでいませんでした。

米ゼネラル・アトミックス社から基本技術の提供を受けた両社は、1997年から共同開発を行い、SCWO技術の特長である優れた有機物分解性能に加え、装置内部に堆積する塩の除去機構、耐腐食性を兼ね備えた装置を開発しました。実証プラント(処理能力10 m3/日)による1,000時間を越える運転試験の結果、安定した有機物分解性能と堆積塩排出性能、十分な耐腐食性と安全性を確認しました。栗田工業の豊富な水処理技術とコマツの優れた機械装置開発・製造技術という両社の強みを活かし、SCWOにおける世界最高水準の性能、品質を達成したと考えております。

今回、栗田工業とコマツで共同開発したSCWO装置は、世界で初めて高濃度の塩に対応できるので、多種多様な廃液・廃棄物・汚泥の処理が可能であり、廃棄物ゼロ化に向け幅広い適用が期待されます。

【実証プラントフロー図】

【共同開発したSCWO装置の主な特長】

  1. 1) 分解性能
    廃液は、縦型筒状のリアクター上部からノズルで噴射注入されて、瞬時に650℃に昇温、反応し、完全に分解されて下部から排出されます。そのため、未分解物の残留がなく、高い分解性能とコンパクト化を両立させました。また、予熱方法の工夫により短時間での起動を可能にしました。
  2. 2)塩排出機構
    リアクター内で析出する塩をスクレーパーで掻き取り、リアクター下部で水に溶解させて連続排出します。この機構により、塩を含む廃液のSCWO処理を可能にしました。
  3. 3)耐腐食性
    装置各部位の条件(温度、酸素濃度など)に応じた素材を採用。特に、リアクター内面には耐食素材で取り替え可能な内張りを施し、優れた耐腐食性を実現しています。

【リアクターの構造】

リアクターの構造

【実証プラントによる余剰汚泥処理例】

実証プラントによる余剰汚泥処理例

お問い合わせ先
栗田工業(株) 経営企画室 企画部広報課 TEL : 03-3347-3250
コマツ 広報・IR部広報グループ TEL : 03-5561-26160

以上