企業の社会的責任コーポレートガバナンス

ガバナンス強化の取り組みと改善内容

クリタグループは、企業理念のもと、持続的な成長と企業価値の向上に向けて、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定と実効性の高い経営の監督の実現を目的として、コーポレートガバナンスの確立に努めています。2016年3月期においては、「コーポレートガバナンスに関する方針」を制定し公表すると同時に、さまざまなガバナンス改革を実行しました。

取締役会の監督機能強化

当社は、取締役会をクリタグループの持続的な成長に資する戦略的な方向付けと、その方向付けを踏まえた重要な業務執行に係る事項の決定および業務執行の監督を行う機関と位置付けています。2016年3月期においては、取締役会が重要事項を重点的に議論することでその機能をより発揮できるように、取締役会が判断・決定する範囲と経営陣幹部に委任する範囲を見直しました。すなわち、取締役会は、経営政策・方針に関する事項、経営計画の戦略・目標・重点施策、重要な投融資や事業譲渡などの重要な業務執行について決定し、重要なものを除く業務執行については、経営陣幹部で構成する経営会議に決定を委ねるというものです。この見直しにより、取締役会において議論すべき事項が整理され議論の活性化につながりましたが、取り組みはまだ途上であり、取締役会のさらなる機能強化に向けて、取締役会から業務執行者への権限移譲をさらに進めていく予定です。

取締役会の構成

取締役の人数は3名以上とし、そのうち2名以上を社外取締役で構成し、独立性と客観性を確保します。現在の取締役会の員数は11名で、うち2名が社外取締役です。取締役会は、業務執行に対する実効性の高い監督機能を発揮するため、各事業分野のほか、経営企画や財務・会計、法務、技術等の高い専門性を有する人材で構成し、取締役会全体で意思決定に必要な知識・経験を補完する体制としています。
取締役の任期については、市場環境の変化に対応し、取締役の経営に対する緊張感を高め、経営体制の見直しを機動的かつ柔軟に行いやすくするために1年としています。また、常勤の取締役は、他の上場会社等の取締役または監査役を兼任しないものとしています。非常勤の社外取締役は、当社を含めて3社を超える上場会社等の取締役または監査役を兼任しないものとしています。

取締役・取締役会に関する事項(2016年6月29日)

定款上の取締役の員数
3名以上。員数の上限は定めていない。
定款上の取締役の任期
1年
取締役会の議長
取締役社長
取締役の人数
11名
うち社外取締役の人数
2名
社外取締役のうち独立役員に指定されている人数
2名
取締役会の開催回数(2016年3月期)
11回

コーポレートガバナンスの体制図

監査役制度の採用

当社は、監査役制度を採用しています。現在、監査役は3名で、うち2名は社外監査役です。監査役の任期は4年で、兼任の制限は取締役と同様です。監査役については、3名以上かつそのうち財務・会計に関する専門性を有する者が1名以上としています。
監査役は、取締役の職務の執行状況および取締役会の監督義務の履行状況を監査するほか、子会社も含めたクリタグループ全体の財産状況の調査、取締役による内部統制システムの構築および運用状況の監査を行っています。また監査役は、取締役会や経営会議など重要な会議に出席し、独立した立場から意見を表明しています。

内部監査・会計監査ならびに会計監査人との適正な連携

当社は、業務執行部門から独立した内部監査部門として、社長直轄の監査室を設けています。監査室は、グループ各社を含めた内部監査を実施し、業務執行上の課題や問題点の把握を行い、社長に改善点を提言しています。
また、会計監査については、太陽有限責任監査法人に監査を委嘱しています。会計監査人は、当社の監査役会が候補者を指名するとともに、選任・解任ならびに不再任の議案を決定し、取締役会がこの決定に基づき株主総会に当該議案を提出します。
当社は、取締役社長、事業本部長、管理本部長、経営企画室長および社外取締役が会計監査人と面談する機会を設け、十分な連携を図ります。また、監査役、監査室および会計監査人は、相互に監査計画や懸念事項を共有することにより、一層の連携を図っています。

監査役・監査役会に関する事項(2016年6月29日)

定款上の監査役の員数
3名以上。員数の上限は定めていない。
監査役の人数
3名
社外監査役の人数
2名
社外監査役のうち独立役員に指定されている人数
2名
監査役会の開催回数(2016年3月期)
11回

社外取締役の増員

当社は、2015年6月の株主総会において、社外取締役を1名から2名に増員しました。2013年6月の中村清次氏の社外取締役就任以来、取締役会の議論が活性化した実績を評価し、さらなる取締役会の独立性と客観性を確保するためには社外取締役の増員が有効と判断し、新たに森脇亞人氏の就任に至ったものです。
クリタグループが社外取締役の役割として期待することは、経営に携わった経験の中で培われた確かな見識と経営感覚を活かし、より長期的な視点から意見を表明することです。また同時に、独立した立場から取締役候補者の指名や取締役の報酬その他取締役会の重要な意思決定において忌憚のない意見を表明することを期待しています。
当社は、さらなる取締役会の機能強化をめざしており、社外取締役の増員についても引き続き検討していきます。

独立社外取締役の独立性の判断基準

独立社外取締役候補者選定における独立性の判断基準は、独立社外取締役候補者本人またはその近親者※1が次の各号に該当しないこととします。

  1. 現在および過去10年以内の、当社または当社の子会社の業務執行者
  2. 現在および過去1年以内に、当社を主要な取引先とする者※2またはその業務執行者
  3. 現在および過去1年以内の、当社の主要な取引先※3またはその業務執行者
  4. 現在および過去1年以内の、当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家、法律専門家
  5. 現在の、当社の主要株主※4またはその業務執行者
  6. 現在、社外役員の相互就任の関係にある先の業務執行者(ただし本人のみ)
  7. 現在、当社が寄付を行っている先の業務執行者(ただし本人のみ)
  • ※1「近親者」とは、二親等以内の親族をいいます。
  • ※2「当社を主要な取引先とする者」とは、当社との取引における売上高が当該取引先の売上高の10%以上を占めるものをいいます。
  • ※3「当社の主要な取引先」とは、当該取引先との取引における売上高が当社の連結売上高の2%以上を占めるもの、または当該取引先からの借入金額が当社連結総資産の1%以上を占めるものをいいます。
  • ※4「当社の主要株主」とは、当該株主の保有する議決権が当社議決権の10%以上を占めるものをいいます。

指名・報酬諮問会議の新設

当社は、2015年10月に指名・報酬諮問会議を設置しました。同会議は、取締役社長、社外取締役2名、常勤社外監査役1名で構成され、取締役候補者、代表取締役候補者、役付取締役候補者を取締役会に提案する際、あらかじめ同会議に諮問し、その適否を答申する仕組みとしています。
取締役・監査役の報酬を決定する手続きにおいても、取締役・監査役の報酬体系・水準および取締役の業績評価について取締役会に提案する際、あらかじめ同会議に諮問し、その適否を答申します。
このような手続きの新設は、従来取締役社長に一任されていた範囲を見直し、決定プロセスの透明性を改善しようとする試みです。今後、手続きの運用を通じた透明性改善の実効性を見極めながら、必要に応じてさらなる仕組みの変更も検討していきます。

役員報酬制度の見直し

2016年3月期における当社の役員報酬体系は、基本報酬を基準年俸額と業績連動額から構成すると同時に、基準年俸額の一定割合を役員持株会に拠出し当社株式の取得に充当するというものでしたが、業績連動部分の比率が低いものでした。
役員報酬制度については、2015年10月の当社「コーポレートガバナンスに関する方針」制定時に、「固定報酬の比率を下げ、業績連動によるインセンティブを高める必要がある」との問題意識を確認しており、2016年2月の取締役会において、業務執行を担う取締役について役員報酬に占める業績連動部分の割合を高める形に制度を改定しました。この改定では同時に、監督機能を担う社外取締役や監査役については業績連動をやめるなど、役員報酬体系の適正化を図ったことに加え、役員報酬の構成、評価基準、算出方法を詳細に規定し、役員報酬決定の透明性の向上を図っています。さらに、同年4月の取締役会では長期のインセンティブとして退職時に株式を交付する「業績連動型株式報酬制度」の導入を決議しました。
これらの制度改定は同年6月の株主総会で承認され、新制度がスタートしています。

資本効率に関する方針の明確化

クリタグループは、長年にわたる株主・投資家との対話の中で、資本効率と株主還元に関わる議論を行ってきました。この背景を踏まえ、2015年10月に制定したクリタグループの「コーポレートガバナンスに関する方針」の中で、資本政策に関する方針を明確にしました。
方針の内容は、クリタグループが資本コストを上回る自己資本当期純利益率(ROE)の維持に努めることと、配当性向が最近5年間の通算で30~50%の範囲に収まる限り増配を継続するというものです。資本コストを上回るROEの維持は株式会社として最低限の義務と捉え、内部留保を有望な事業投資に振り向けると同時に適切に株主に還元することにより、さらなるROEの向上に努めていきます。

政策保有株式

当社は、取引関係強化のため政策保有株式として上場株式を保有することがあります。上場株式を保有するリスクを最小化するため、保有先との関係性と保有リスクの検証を定期的または必要に応じて適時に行い、取締役会において保有の適否を継続的に見直していきます。
また、政策保有株式の議決権の行使にあたっては、当社の株主価値増大に資するかどうかの観点から、議案ごとに賛否の判断を行います。

取締役会評価

当社では全取締役・監査役が取締役会の実効性の分析・評価を行い、取締役会において評価結果を審議しました。2016年3月30日開催の取締役会における評価結果は、以下のとおりです。

分析・評価の実施方法

評価の手法としては、記名式のアンケートを実施し、集計後にその結果について取締役会において議論を行いました。アンケートや議論を通じて取締役会の問題を抽出し、今後の課題と施策も設定しました。
評価項目は、①取締役会の役割・責務、②社外取締役・監査役との連携、③取締役会の構成、④取締役会の運営、⑤個々の取締役・監査役の貢献、⑥株主との対話、の6分野で構成しました。評価対象期間は原則として、前年の1~12月の1年間ですが、今回は当社の「コーポレートガバナンスに関する方針」制定後の2015年10~12月の3カ月間としました。
取締役会の分析・評価は今回が初めての試みだったことから、実施方法については今後、よりよい方法を検討し見直していく方針です。

評価結果

全取締役・監査役による自己評価の平均は、6分野とも概ね良好な結果であり、取締役会の実効性は確保されていると判断します。一方、「取締役会における戦略的な議論」「事業計画達成をめざした建設的な議論」といった項目については、各取締役・監査役の自己評価のばらつきが大きくなりました。社外取締役からは、「より長期の目標設定・戦略立案の議論」や「諸施策の一層の具体化のための議論」が十分でないとの指摘もありました。
また、今回の取締役会の実効性評価は、2015年10月の当社「コーポレートガバナンスに関する方針」の制定後初めて実施するものであり、社長後継者の育成・指名に対する監督制度や取締役の報酬制度等に関する仕組みの整備の途上であることから、その効果の検証・確認が十分に行えず、これらの項目の評価が相対的に低くなりました。

課題と施策

整備途上の仕組みとしては、まず2015年10月に指名・報酬諮問会議を設置しました。同会議は、取締役社長、社外取締役2名、常勤社外監査役1名で構成され、取締役候補者、代表取締役候補者、役付取締役候補者を答申する仕組みとしてスタートしています。
また役員報酬制度については、2015年10月の当社「コーポレートガバナンスに関する方針」制定時に、「固定報酬の比率を下げ、業績連動によるインセンティブを高める必要がある」との問題意識を確認しており、2016年6月に報酬制度を改定しスタートさせています。
今後の課題としては、「より長期の目標設定・戦略立案の議論」や「諸施策の一層の具体化のための議論」等をさらに進める必要があり、取締役会を重要事項を重点的に議論できる形に一層強化する必要があると考えています。このために、業務執行体制を強化するとともに、取締役会から業務執行者への権限移譲を進めていく予定です。

内部統制システム

クリタグループは、会社法の施行に対応して2006年5月に「内部統制システム構築に関する基本方針」を取締役会において決議、制定し、継続的に内部統制システムの整備・運用を行っています。「内部統制システム構築に関する基本方針」については、取締役会決議に基づき改定を都度、実施しています。

※このページは主に2016年3月期の取り組み実績を記載しています。