「社会ニーズ」の側面での取り組み
生産性向上、環境負荷低減、創エネルギーの3つのテーマで研究開発を推進
「社会ニーズ」の側面では、社会的な環境問題の抜本的な解決に繋がる新たな商品、技術の創出に取り組んでいます。
実績は、「開発件数」と「顧客環境改善効果」で把握しています。
環境改善に貢献する新商品、
新技術開発件数の推移

新商品による顧客環境改善効果

主な新商品・新技術のご紹介
ブロー量削減により省エネルギーを実現する「高濃縮対応ボイラ薬品」
工場での加熱、加湿用からオフィスビルでの空調用まで幅広く使用されている蒸気は、ボイラにより水を加熱して発生させています。その際、水中に含まれるシリカなどは蒸発せずボイラ内に残留するため、徐々に濃縮してボイラの内側に「スケール」として付着します。スケールは水への熱伝導を阻害するため、エネルギーロスにつながるだけでなくボイラそのものを損傷するなどさまざまな障害を引き起こします。そのためボイラ水の一部を排出(ブロー)して新たに水を補給する必要があり、それに伴って補給水を加熱する燃料が増加するため、その削減が課題となっていました。
これに対し栗田工業は、シリカの分散効果に優れる新規ポリマーを適用し高濃縮を可能とするボイラ薬品を開発しました。本薬品は、ボイラ水中のシリカを従来品の2倍以上に濃縮することができるため、ブロー量を大幅に削減することが可能となり、燃料使用量の削減に貢献します。
本薬品は既にさまざまな業種のお客さまに採用され、期待通りの効果を発揮しています。

ボイラ内に白いスケールが付着した状態

薬品によりスケールの付着が防止され、金属の表面が見えている状態
イオンを選択分離しメッキ溶液を長寿命化する「KCDI®-SP」
メッキ工場では、メッキ被膜の均一化、薄膜化といった電子部品の高品質化ニーズに対応するため、厳密な品質管理が求められています。メッキ処理には銅などの有価金属を含む溶液を使用していますが、メッキ処理により溶液中の有価金属が減少し溶液のイオン構成比が変化します。製品の品質を維持するために、イオン構成比が変化した溶液を全量交換する必要があり、それに伴って大量の廃棄物が発生するという環境面と経済面の課題がありました。
これに対し栗田工業は、メッキ溶液中のイオンの選択分離が可能な「KCDI®-SP」を開発しました。メッキに必要な有価金属はそのまま残し不要なイオンのみを除去することにより、溶液のイオン構成比を一定に保つことで、長期間安定して均一なメッキ処理が可能となります。本装置の導入により溶液の廃棄処分がほぼ不要となるため、廃棄物量の大幅な削減が可能となります。
本装置は既に銅メッキメーカーに採用され、期待通りの効果を発揮しています。

イオン選択除去装置「KCDI®-SP」
低濃度排水にも適用可能な「バイオセーバー®TK」
有機物を含む排水の処理には微生物を利用することが一般的であり、微生物の種類により好気性処理と嫌気性処理の大きく2つに分けられます。嫌気性処理は好気性処理と比べ、曝気用動力が不要、発生するメタンガスを燃料として再利用可能、余剰汚泥の発生量が少ないなど、環境面で大きなメリットがあります。一方、嫌気性処理には糸状菌が絡み合い直径1〜3mmの粒状になった「グラニュール汚泥」が使用されていますが、有機物濃度が低い排水ではグラニュール汚泥を安定して維持できないため、低濃度排水には嫌気性処理を適用できないという課題がありました。
これに対し栗田工業は、微生物を付着させたプラスチック製の担体を利用した嫌気性処理装置「バイオセーバー®TK」を開発しました。担体は微生物の保持能力が高く、また、適度な沈降性により処理槽内から流出しないため、低濃度の有機排水でも良好な処理が可能となります。

微生物を付着させた担体




