CSRの取り組み人権・安全

人権を尊重する

30ヵ国以上で事業を展開するクリタグループは、多様な労働環境や商習慣、取引慣行に直面しており、ステークホルダーの人権を尊重して事業に取り組む必要があります。そのためクリタグループは、人権は経営上の重要課題であるとの認識のもと、事業活動を行う国・地域において従業員をはじめとするステークホルダーに対する人権尊重の取り組みを推進しています。
またクリタグループは、こうした取り組みをグループだけでなくサプライチェーンにおいても徹底することが重要であると認識しています。そこで、調達先に対しても人権への配慮を要請し、理解と協力を求めるとともに、2018年度以降、定期的なモニタリング調査による遵守状況の確認を行う予定です。

人権尊重の取り組み

クリタグループ人権方針

クリタグループは、法令遵守および社会倫理に基づいた正しい行動を具体的に実践していくための模範を示す「クリタグループ行動準則」において、すべての役員・従業員が人権に関して遵守すべき行動を定めています。さらに、企業理念およびクリタグループ行動準則を補完するものとして、「クリタグループ人権方針」を制定しています。

方針

本方針は、栗田工業株式会社およびその連結子会社のすべての役員と従業員に適用します。さらに、本方針をクリタグループが影響を及ぼすことができるビジネスパートナーおよびその他の関係者に対しても働きかけていきます。

  • クリタグループは、「国際人権章典」に規定された人権および「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」に規定された基本的権利と原則を尊重します。また、私たちは国連が定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいて、人権尊重の取り組みを推進します。
  • クリタグル-プは、事業活動を行うそれぞれの国や地域で適用される法令を遵守します。国際的に認められた人権とそれぞれの国と地域の法令規則の間で矛盾が生じた場合は、クリタグル―プは、国際的に認められた人権原則を尊重する方法を追求していきます。
  • クリタグループは、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築して、人権への負の影響を特定し、その防止、または軽減を図るよう努めます。
  • クリタグループは、人権に対する負の影響を引き起こした場合や、負の影響に関与したことが明らかになった場合は、適切な手続きを通じて、その救済に取り組みます。
  • クリタグループは、本方針を周知していきます。また、方針の実効性を確保するため、適切な教育・訓練を行っていきます。
  • クリタグループは、人権に対する潜在的および実際の影響に関する対応について、関連するステークホルダーと協議を行っていきます。
  • クリタグループは、人権尊重の取り組み状況を企業の社会的責任(CSR)に関するレポートやウェブサイトにて報告していきます。

推進体制

クリタグループの人権に関する取り組みの推進体制は右図の通りです。主に従業員を対象とした人権啓発活動は当社のグループ管理本部が、取引先に対する人権への配慮要請は当社のグループ生産本部が所管しています。

2017年度の取り組み

「クリタグループ人事管理ガイドライン」の制定

クリタグループは、グループ共通の考え方に基づいて人事管理を行うことを目的として、「クリタグル―プ人事管理ガイドライン」を制定しています。本ガイドラインでは「マネジメント開発」「誠実な雇用」「多様性の尊重」といった人事管理の基本的な考え方を定めています。本ガイドラインに沿い、国、地域、文化、風土、会社の個別状況に基づく各社の固有の人事施策と融合しながら、人事管理に取り組んでいきます。

人権啓発研修の参加人数と受講率

  2015年度 2016年度 2017年度
テーマ名 ダイバーシティ パワー・ハラスメント LGBT
受講者数(人) 1,983 1,818 1,669
受講率(%) 88 91 80
  • 受講者には派遣員も含んでいます。

「企業における性的少数者(LGBT)への取り組みを考える」をテーマに経営層向け研修を実施

人権啓発研修の実施

当社は、人権に対する従業員の意識向上に向けた「人権啓発研修」を継続して実施しています。さらに2017年度には、企業経営において重要性を増す人権啓発について経営層の意識を高め、社員と一体となった取り組み促進を目的として、当社および国内グループ会社の経営層を対象とした人権啓発研修も実施しました。

差別対応

国内グループ会社で2件の相談・報告があり、該当者またはその上司に指導を行いました。

児童労働

当社において、児童労働に関して著しい事業所はありませんでした。

強制労働

当社において、強制労働に関して著しい事業所はありませんでした。

人材育成

当社では、人材開発に向けて、人材開発担当部署による階層別・役職別研修、各組織での専門知識・スキルの習得研修などを実施しています。

安全衛生

基本的な考え方

クリタグループは、事業の特性上、水処理薬品の製造・納入や水処理装置の組み立て・納入・据付など、クリタグループおよび協力会社の従業員が安全面における何らかのリスクに直面する場面が多くあると認識しています。そこでクリタグループは、「安全衛生は、事業を行う上での最優先事項である」と位置付け、クリタグループの役員・従業員、協力会社の従業員の方々が安心して働ける職場環境づくりのために、安全確保と健康支援に取り組んでいます。

なお、当社が栗田工業労働組合と締結している労働協約には安全衛生条項を含んでいます。

クリタグループ安全衛生方針

クリタグループは、役員・従業員の安全と健康の確保および快適な職場環境づくりと改善に努めるべくグループ共通のクリタグループ安全衛生方針を定め、本方針に基づき安全衛生に関する取り組みを継続的に推進します。

方針

  1. 法の遵守
    クリタグループは、事業活動を行うそれぞれの国や地域で適用される安全衛生に関する法令を遵守する。
  2. 経営資源の投入
    クリタグループは、人員、設備および資金等の経営資源を投入し、安全で快適な職場環境の維持および改善を図る。
  3. 役割、権限、責任の明確化
    クリタグループは、自主的かつ継続的な安全衛生活動を行うために、グループ各社の安全衛生組織および安全衛生管理者の役割、権限、責任を明確にする。
  4. 安全衛生目標の設定および計画の立案と実行
    クリタグループは、グループ各社の安全衛生組織において、それぞれの事業内容や地域性、各国で適用される法令を踏まえた安全衛生活動の目標設定、その達成を確実にする計画の立案、事業者と従業員が一致協力した計画の実行を行う。また、実行した結果に基づく適切な見直しを行い、継続的に改善を図る。
  5. 危険・有害要因の除去・低減
    クリタグループは、リスクアセスメントを実施し、危険・有害要因を特定して改善を図り、リスクを除去・低減する。
  6. 教育・訓練
    クリタグループは、役員・従業員および協力会社に対し安全衛生に関する教育・訓練を行い、安全衛生方針および安全衛生活動の目標・計画・施策を周知徹底する。

当社および国内グループ会社では、労働安全衛生法をはじめとする安全衛生に関連する法令に基づき、安全衛生管理体制を構築しています。当社のグループ管理本部長を委員長とする労使合同の本部安全衛生委員会のもと、事業所別・部門別で安全衛生委員会(委員長は事業所長または本部安全委員会委員長の指名者)を、さらに国内グループ会社で安全衛生委員会を設置し、職場環境の整備と充実に取り組んでいます。また、現場の安全を推進する専門部署を設置し、現場における安全の取り組みをサポートするとともに、労働災害防止策の立案と実施ならびに安全衛生委員会の取り組みのフォローを行っています。本部安全衛生委員会の活動方針や各安全衛生委員会の活動結果は、年一回、当社の取締役会に報告しています。

なお、国内グループ会社の安全衛生委員会のうち、労使合同の委員会を設置しているのは19社中16社です。また、全従業員のうち、安全衛生委員会に参加している従業員の割合は、当社は2%、国内グループ会社は9%です。

  • 本社における安全衛生委員会の割合

2017年度の取り組み

安全衛生委員会では、2017年度は「一人ひとりがリスクに対する危機感を持ち、自ら考えリスクを予め排除する行動を定着させる」を活動方針として掲げ、①災害対応②労働災害防止③交通事故防止④健康管理を重点施策テーマとし、取り組みを推進しました。2017年度における主な取り組み内容は次の通りです。

災害対応

グループ統一の「職場の安全評価」と「備蓄品保管量」の基準を定め国内の全151事業所で点検と改善を実施しました。

労働災害防止

これまでの労働災害の発生状況に基づき、「薬傷」「墜落・転落」の防止を重点取り組み事項とし、労働災害発生リスクの高い新規・既存の事業とプロジェクトにおける現場で外部専門家や当社専門部署による安全パトロールを行い、現場におけるリスクの発見と改善、従業員・協力会社の安全意識向上を図りました。安全パトロールでは、現場での安全対策などについて点数で評価し、その結果を社員と協力会社へフィードバックした上で、指摘事項の改善・是正まで実施しています。2017年度は海外での安全パトロールを初めて実施しました。また、近年では現場工事の増加に伴い協力業者も増加しているため、工事着工前の安全教育を徹底しています。
当社および国内グループ会社において労働中に発生し従業員が受けた2017年度における傷害の種類は、以下の通りです。発生した事故については、現場の安全を推進する、当社の専門部署で発生原因を調査するとともに、再発防止策を策定し、当社および国内グループ会社に周知しています。

墜転落、薬傷、挟まれ、切れこすれ、交通事故、転倒、激突され、刺し傷、骨折、腰痛、虫さされ、指脱臼、衝突、ガス吸引

なお、2017年度における当社および国内グループ会社の業務上死亡者数は0名です。

交通事故防止

当社および国内グループ会社では、お客様の工場・事業所への訪問時に自動車を使用することが多いため、交通事故防止に取り組み、ドライブレコーダーの記録に基づく危険挙動発生回数の運転者への周知や、運転歴の浅い従業員を対象とした安全運転実技教育の実施による技能向上を図りました。

健康管理

当社では、従業員の定期健康診断と、有機溶剤や特定化学物質などを取り扱う従業員の特殊健康診断について、対象となる全従業員の受診を徹底しており、定期健康診断の受診率は100%となっています。長時間労働の削減に向けた主な取り組みとして、2016年より「ノー残業デイ」や会社施設利用時間を設定し運用を継続しています。当社の各安全衛生委員会では、メンタルヘルスの不調・予防、従業員の健康増進に向けた取り組みとして、食生活の改善やメンタルヘルス等に関する講習会を21回、体力年齢測定やウォークラリーなどの健康イベントを13回実施しました。また、労働安全衛生法に基づき厚生労働省が定めたストレスチェック制度の指針に沿って、全従業員を対象に本人の気付きを促す「ストレスチェック」を実施し、99%が受診しました。

また、当社では有機溶剤を使う分析や実験を行っており、従業員の安全確保のため、局所換気装置や保護具の使用によって曝露を防止するとともに、使用実績調査に基づく特殊健康診断(診察と検査)を実施しています。

2022年度目標

クリタグループは、本テーマにおける2022年度の目標を以下の通り設定しています。

役員・従業員の人権に関する教育受講率※1

100%

強度率※2

0.005

  • ※1 従業員一人当たり3年で1回受講することとしています。
  • ※2 強度率:労働損失日数÷延労働時間数×1,000

働き方改革、女性の活躍推進

当社は、少子高齢化に伴う人材の確保や長時間労働の是正、男女共同参画社会の実現といった日本固有の課題への対応として「働き方改革」「女性の活躍推進」に取り組んでいます。

働き方改革

当社では、従業員の心身における健康維持と生産性向上の視点から、長時間労働の削減を中心とした働き方改革を推進しています。

2017年度における主な取り組み

区分 具体策
勤務時間の制限
  • ノー残業デイ(水曜日)の設定
  • 本社施設利用時間(21時)の設定
有給休暇の取得促進
  • 夏休み期間(6月~10月)における5日以上連続休暇の取得奨励
従業員の意識改革
  • エンジニアのためのタイムマネジメント講習会の開催
制度・仕組みの改定、導入
  • サテライトオフィスの試行
  • 育児制度における休職期間の改定(子が1歳6カ月に達する日まで→2歳に達する日まで)
  • 看護および介護のための特別有給休暇における時間単位取得制度導入

一人当たり時間外労働の全社平均、平均有給休暇取得日数の推移

  2015年度 2016年度 2017年度
一人当たり時間外労働の全社平均(時間/月) 28.2 27.1 26.6
平均有給休暇取得日数 9.9 10.9 11.1

また、働きやすい企業風土を実現するために、当社では以下の制度を導入しています。各制度の利用者数はCSRデータ「社会」をご覧ください。

育児休職・育児短時間勤務制度

当社では、次世代育成支援対策推進法に基づき、仕事と育児を両立しやすい環境を整備しています。育児休職の期間は、原則として子が2歳に達する日までを限度としていますが、一定の条件に見合えば延長も可能です。また従業員は、子が小学校3年生の3月末になるまで短時間勤務を選定することが可能です。

介護休職・介護短時間勤務制度

当社では、要介護状態にある家族を持ち、介護休職後引き続き勤務する意思のある従業員は、原則として通算1年間(365日)を限度として、介護休職制度を利用することができます。また対象家族1 人につき要介護状態ごとに累計12カ月以内の介護短時間勤務制度の利用も可能です。

看護休暇制度、ボランティア休暇制度

当社には、看護のための休暇制度があり、小学校就学までの子を持つ従業員が、負傷または疾病により子の看護を必要とした場合、1年間に子が1人であれば年間5日、2人であれば年間10日を限度として有給休暇を取得できます。また、全従業員対象のボランティア休暇制度があり、年度当たり最長2日間の有給休暇を取得できます。

女性の活躍推進

2023年4月1日時点での
女性管理職数

15人以上

新卒総合職採用における
女性比率

30%以上

当社はクリタグループで最も多くの従業員を抱える一方で、従業員に占める女性の比率がグループ内で低い状況にあり、この状況を改善するために女性の活躍を推進する行動計画を策定し、実行しています。2018年4月から2023年3月までの5ヵ年を期間とする本計画では、取り組み目標を右の通り定めています。

当社はこれらの目標を達成するため、①女性総合職を対象としたキャリア形成支援、②女性採用比率の向上、③女性の職域拡大、④自己申告制度を通じたキャリア開発の支援、の4つの取り組みを実施していきます。なお、2018年3月31日現在の従業員に占める女性の割合は13.2%、女性管理職の人数は2名です。

  • ※1 当社は「MSCI日本株女性活躍指数」の構成銘柄に選定されています。