環境改善水資源の問題を解決する

水の偏在による水不足や産業の発展に伴う水質汚染、地下水の減少など、世界的な水に関する様々な問題は、気候変動と並んで最も重大な社会的課題の一つです。クリタグループは、事業活動で使用する取水量の削減に取り組むとともに、これまでに培ってきた節水・浄化・再利用技術によって、人々の生活と産業の発展に必要な水を最適な質と量で提供していきます。また当社は、環境省のウォータープロジェクトに参画しており、水資源の有効活用や水環境の保全に係る技術、事業活動に関する情報を、本プロジェクトを通じて発信しています。

2022年度目標

クリタグループは、事業を通じた環境負荷低減が、事業に伴って発生する環境負荷を補い、さらに上回ることを目指し、「顧客での負荷低減量-自社での負荷量」を2018年度以降の目標として設定しており、それぞれの実績値を継続して把握していきます。

顧客における節水量
-自社での取水量

50百万m3

SDGsへの貢献

顧客とともに

顧客環境改善活動

お客様の工場・事業所における当社および国内グループ会社の提案による節水の実績はグラフの通りです。これらは主にボイラ・冷却水設備における循環水の水質適正管理による給水量削減や、工場排水の回収・再利用によるものです。2017年度は電子産業向け水処理設備の大型案件があり、そこで採用された水回収装置による効果が大きく、節水量が大幅に増えました。

顧客事例

帝人聚碳酸酯有限公司様での節水事例(栗田工業(大連)有限公司の取り組み)

水使用量 30%削減

帝人聚碳酸酯有限公司様は、中国でポリカーボネートの製造を行っています。中国は一人当たりの年間水資源量が世界平均を大きく下回っており、そのため水使用量の削減や排水水質などの環境規制が年々厳しくなっています。地域によっては国よりも厳しい規制もあり、帝人聚碳酸酯有限公司様においても、水使用量の低減への対応が喫緊の課題となっていました。

クリタ大連は、お客様と共同で工場全体での用水・廃水量とその水質を確認した上で、冷却設備からの排水や汚染度の低い工場廃水をRO膜設備で処理・回収し、工場内で再利用することを提案しました。本提案をご採用いただいた結果、工場全体での水使用量のおよそ30%を削減することが可能となりました。

RO膜設備

RO膜設備

お客様の声

石田 雅裕 様

製造部 部長
石田 雅裕 様

水使用量の削減は大きな課題でしたが、適切な対策案と期待通りの効果を出していただき大変感謝しております。
現在、検討していただいているさらなる水再利用量の増量について、引き続きご協力をよろしくお願いします。

新光電気工業株式会社 高丘工場様での節水事例(栗田工業株式会社の取り組み)

節水量 25,000m3/年削減

エレクトロニクス製品の小型化や高機能化を支える半導体パッケージを主に製造する新光電気工業株式会社殿は、環境保全を経営の最重要事項の一つと位置付け、環境負荷低減に努められています。

お客様では、工場での水使用量を最小化するため、生産に使用した水は可能な限り回収し、再利用されています。しかしながら、事業環境の変化に対応するために実施した生産量や生産方式の変更に伴って排水の性状が変化し、工場内で使用する水の質と量のバランスを保つことが困難となりつつありました。栗田工業は、純水水質に悪影響を及ぼしていた有機成分を、膜処理により除去することで水質を向上させる改善策を提案しました。

本提案をご採用いただいた結果、再利用可能な循環水量が増え、新たな補給水量を削減することが可能となり、25,000m3/年を節水することができました。

フロー図

フロー図

お客様の声

松木 健 様

環境管理統括部
第二施設管理部担当課長 松木 健 様
※所属名は2017年度のものです。

本提案により、純水水質の安定化が図れたこと、有機成分による汚れが付着した部品の交換が軽減できたことを評価しています。
今後も工場の環境負荷低減と安定操業に向けた提案を期待します。

自社内において

自社内環境改善活動

2017年度は、取水量を前年度以下、回収率を前年度以上とすることを目標に取り組みを行いました。具体的には、水処理薬品の製造やイオン交換樹脂の再生・精製に使用する純水の製造方法や使用方法の改善による取水量削減と回収水量の増加を図りました。しかしながら、生産量の増加により2017年度の取水量は目標未達となりました。回収水量と回収率は、2017年度からデータを把握する事業所が増えたことから大幅に増加しました。
なお、当社および国内グループ会社は、生産拠点が立地する地域の水リスクを世界資源研究所の水リスク地図「AQUEDUCT」を用いて評価・確認しています。その結果、当社および国内グループ会社が生産拠点を設けている地域において、「高いリスク」以上に該当する地域はありませんでした。

クリタ・ケミカル製造株式会社 赤穂事業所での節水事例

クリタ・ケミカル製造はクリタグループにおける水処理薬品の製造拠点であり、同社の赤穂事業所は主に西日本向けの水処理薬品を製造しています。液体系水処理薬品の原料や、再利用可能なリターナブル型水処理薬品容器の洗浄用として使用する純水を製造する水処理設備を保有しています。同社は、2017年度に同社の事業活動にとって重要なユーティリティである水や電気などに関する設備の見直しを行い、その一環として栗田工業の水処理装置運転管理サービス「KWSS(Kurita Water Supply Service)」を導入しました。

本サービスは栗田工業が蓄積してきた経験・ノウハウにITを融合し、オンラインで遠隔監視と運転データ収集を行い、傾向管理・アラーム解析をすることで、リアルタイムな装置運転状況に基づくメンテナンスサービスを実施するものです。本サービスによる設備の適正管理と併せて、従来は捨てていた純水製造設備からの排水を回収・再利用することで、取水量を削減しました。

KWSSで管理する純水製造設備

KWSSで管理する純水製造設備

赤穂事業所における取水量の推移