環境改善産業の生産技術を進歩させる

クリタグループは、人間が豊かな生活を永続的に営んでいくためには、産業の発展と地球環境保全の両立が必要であると考えています。クリタグループは、様々な製品の製造プロセスに介在する水の処理を通して生産効率や製品品質の向上に貢献するとともに、産業の発展に伴う環境問題の解決に貢献してまいります。

2022年度目標

クリタグループは、現有する商品やサービスの基盤となる「分析」や「流体・プロセス解析」といった水処理に関する基礎的な研究や、節水や省エネルギーなどお客様や社会の課題解決に貢献する製品・技術の開発に取り組んでいます。

商品開発テーマに占める「生産プロセスの改善・
改良への貢献」に該当するテーマの割合

35%

SDGsへの貢献

水処理の知見やデータを活用した水処理改善提案支援ツールの開発

クリタグループの製品・サービスは、ボイラ設備や冷却設備、用水設備から排水処理設備まで工場全体の水処理に関わる幅広い設備に適用されます。各設備の運転条件や運転状況は現場ごとに異なるため、節水や省エネルギー、廃棄物削減の最適な提案を行うためには、多くの経験が必要とされてきました。クリタグループでは、これまでにクリタグループが培ってきた水処理の知見やデータを活用して「水処理改善提案支援ツール」を開発することで、お客様により早く、より最適な提案を行うことを可能としました。

次世代半導体の洗浄技術の確立

日常生活の利便性向上やエネルギー使用の効率化を目的としてIoTの導入が急速に進んでおり、現在ではパソコンをはじめとする電子機器だけでなく家電や自動車など様々な製品に半導体が使用されています。それを支えるために、今後も半導体の進化と生産量の拡大が見込まれており、半導体そのものの省電力化と生産工程における省エネルギー化が課題となっています。
半導体の微細化と省電力化を実現するために、新材料・新構造の半導体の研究が行われており、その一環として配線素材の一部を銅からコバルトに変更する動きがあります。しかしながら、コバルトは半導体製造プロセスで洗浄用に使用される超純水に溶けやすいという大きな問題がありました。

クリタグループは、このような新素材の適用や構造の複雑化に伴う洗浄方法の多様化といった課題に対応するため、imec※1にて次世代半導体の生産技術について共同研究を行っています。現状の課題を踏まえた上で、水質、性状をコントロールしたリンスimec※2用超純水の製造技術、およびそれを使った洗浄技術を確立させることで、次世代半導体の生産性向上に貢献していきます。既にコバルト配線に適合したリンス用超純水の性状とその製造技術を見出しており、現在は最先端の半導体メーカーでの実証試験を行っています。

  • ※1 imec (Interuniversity Microelectronics Centre)は、ベルギー王国に所在する半導体に関わる世界最大規模の民間研究所です。数世代先の半導体の設計・製造技術の確立を研究ミッションとして、世界中の主要半導体メーカーや半導体製造装置・材料メーカーなどと共同開発プロジェクトを進めています。栗田工業は水処理企業として初めてimecとの共同研究に参画しています。
  • ※2 リンス:洗浄用の薬液を除去すること。

AIを活用したエネルギーの削減

クリタグループでは、主に半導体や液晶などの大規模生産工場において、お客様の工場内にクリタグループが水処理設備を建設・保有し、洗浄用超純水の供給や生産工場からの排水を適正に処理・回収・再利用する「超純水供給事業」を行っています。クリタグループはAI(Artificial Intelligence、人工知能)を活用することで、水処理設備の運転管理の安定化と最適化に取り組んでおり、その一つとして超純水の送水温度調節自動化を行っています。

生産工場に送る超純水は洗浄力を高めるために加温していますが、超純水製造設備と生産現場との距離が離れている場合、送り出し側では高めに加温し、受け取り側では最適な温度になるように冷やす、といったことが行われていました。AIにより気象状況などから生産設備での温度を予測した送水温度の設定が可能となり、過剰な加温と冷却にかかるエネルギーを削減することが可能となりました。