Press Release

2014年

2014年6月20日

食品添加物のみを原料とした冷却水処理薬品を開発し、販売を開始
~ボイラから冷却水へ 安全性を追求した「クリタイトシリーズ」のラインナップを拡大~

栗田工業は、食品添加物のみを原料とした安全性の高い冷却水処理薬品「クリタイトCW」、「クリタイトCX」を開発し、販売を開始しました。ボイラ水処理で培ってきた「クリタイトシリーズ(*1)」の薬品技術を活かし、冷却水処理における安全性を追及するとともに、腐食、スケール、スライムなどの障害防止を通じて省エネルギーや節水に貢献します。これにより、ボイラから冷却水まで、お客さまの「安全・安心」ニーズに応える水処理をさらに幅広く提供していきます。

クリタイトシリーズは、食品と食品添加物のみを原料素材とする当社独自の商品です。製品の安全性リスクの根絶を目指されるお客様向けのボイラ処理薬品として2002年に販売を開始しました。2013年には処理性能を大幅に高めた新商品をラインナップして市場展開を強化しておりますが、FSSC22000などの食品安全システム認証を取得されるお客様からは冷却水処理でも同様に安全性の高い水処理薬品へのニーズが高まり、当社ではクリタイトの商品コンセプトを冷却水処理にも拡大して新たな技術開発に取り組みました。

そして、このたび商品化したのが、開放冷却水系(*2)向け「クリタイトCW」と密閉冷却水系(*2)向け「クリタイトCX」です。冷却水処理に適した食品添加物素材を配合し、高い安全性を確保しながら、従来商品と同等の効果を発揮する水処理薬品の実用化に成功しました。クリタイトCWは、腐食防止、スケール分散、スライムコントロールの機能を持ち、新たに見出した薬品素材の働きで鉄と銅の腐食を効果的に防止します。さらに、食品添加物を用いたスライムコントロール素材の課題であった金属腐食性を抑制するとともに、その有効成分がスライム内部まで深く浸透することで微生物の活性を低下させ、レジオネラ属菌も確実に除菌します。また、密閉冷却水系で冷凍機や熱交換器などの腐食を防止するクリタイトCXと組み合わせることで、冷却水系全てのプロセスで、安全な水処理と薬品効果の安定化を実現します。

当社ではクリタイトシリーズのラインナップを拡充する中で、安全性の高いボイラ処理薬品と冷却水処理薬品をトータルで提案し、お客様の課題解決を推進していきます。食品・飲料・医薬工場およびその関連業種、医療施設を中心に、「安全・安心」のニーズに応え、設備保全や安定運転、省エネルギー、節水などに貢献していくことで、新たな市場創出とシェア拡大を目指していきます。

*1、*2は、以下補足資料参照

  • 「クリタイト」は栗田工業の登録商標です。

<補足資料>

  • *1:クリタイトシリーズについて
    クリタイトシリーズは、食品と食品添加物のみを原料とした安全性の高い水処理薬品です。本シリーズの商品は全て、製造段階における他の原料や異物の混入を防ぐため、専用の製造ラインを設置して徹底した安全管理を実施しています。また、原料受け入れから製造・検査・出荷までの各工程において原料・製造物の品質確認や成分分析を行い品質管理を徹底するとともに、出荷後はトレーサビリティシステムにより出荷前検査結果や製品情報などをお客様に開示しています。
  • *2:開放冷却水系と密閉冷却水系について
    • (1)開放冷却水系
      一度使用して温度が上昇した冷却水を、冷却塔で直接外気と接触させて冷却し、循環使用する方式です。外気との接触により冷却水の一部が蒸発することでカルシウムなどの硬度成分や、塩化物イオン、硫酸イオンなどの腐食性イオンが濃縮するため、スケールや腐食が発生します。また、外気から持ち込まれた有機物を栄養源としてスライムが発生します。
    • (2)密閉冷却水系
      一度使用して熱交換により温度が上昇した冷却水を冷凍機などで間接的に冷却する方式です。冷却水が蒸発しないため濃縮されず、また外気と接触しないためスケールやスライムの発生は少ないものの、配管や冷凍機、熱交換器で腐食が発生します。