Press Release

2014年

2014年5月23日

ボイラ水処理向け スケールの分散効果と除去効果を併せ持つ多機能ポリマー素材「ドリームポリマー™」を開発
~ボイラ設備を常に清浄な状態に維持し、さらなる省エネルギーに貢献~

栗田工業(本社:東京都中野区 社長:中井 稔之)は、ボイラ水処理において従来のスケール(*1)分散効果に加え、除去効果を併せ持つ多機能ポリマー素材を初めて開発しました。本ポリマー素材「ドリームポリマー™」を用いた水処理薬品をラインアップし、市場投入を進めることでお客様の省エネルギーに貢献し、ボイラ水処理市場での事業展開を強化していきます。

小型貫流ボイラなどのボイラ設備の燃費性能向上に伴い、水処理の重要性が一段と高まっています。特にボイラに付着するスケールは、熱交換を阻害するとともに設備での様々な障害の原因となるため、スケールの付着を防止して熱効率や設備の耐久性を維持する水処理薬品が欠かせません。しかしながら、分散効果のみを有する従来の薬品素材では、ボイラ缶内の硬度成分(*2)が薬品の処理能力を超えた場合はスケールとなり、発生したスケールを別途除去処理(*3)する必要がありました。

これに対し当社では、これまでのポリマー素材を見直し、スケールの分散だけでなく除去効果を併せ持つ新規素材の開発に成功しました。ボイラ内のスケール成分を良好に分散させ付着を防止することはもとより、新たな機能によりスケールが付着した場合でも素早く、効果的に除去することを可能にします。これにより、ボイラの伝熱面を常に清浄な状態に維持し、高効率ボイラの性能維持や安定運転の実現を通じて、お客様の省エネルギーに貢献します。
また本素材は、鉄に対する腐食性も極めて低いため、従来のスケール除去剤(*3)を使用する場合に不可欠であった腐食を回避するための特別な水質モニタリングが不要であり、通常の運転条件のまま、一剤で安定した処理効果を発揮します。さらには、ボイラ水のブロー量削減による節水にも寄与し、お客様のニーズに幅広く応えることができます。

当社では、ボイラ向け水処理薬品については創業以来、独自商品を展開しておりますが、お客様のさらなる課題解決とニーズの充足に向けて、「ドリームポリマー™」を配合した様々なタイプの商品をラインアップし、主力商品として国内外で販売を促進することで、本市場向けの事業展開をより一層強化していきます。

  • *1スケールは、硬度成分やシリカなどの成分が析出し、ボイラ内に付着したもの。伝熱効果を著しく低下させ、ボイラの燃費や耐久性を低下させる。
  • *2硬度成分は、ボイラに供給される水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオン。
  • *3スケールが付着した場合には、一般的に、通常使用する薬品とは別にスケール除去剤(キレート剤など)が併用される。