Press Release

2013年

2013年9月2日

冷却水薬品の新シリーズ「KURITA ST」を開発
~新開発ポリマーで主力のコンビナート市場向け商品を刷新
さらに高効率の腐食防止と環境負荷を低減~

栗田工業株式会社(本社:東京都中野区 社長:中井 稔之)は、新開発のポリマー素材を用いた冷却水薬品の新シリーズ「KURITA ST」を商品化しました。本商品は、一般の工業用水のみならずRO処理水や排水回収水など幅広い水質において、高い防食(*)効果を発揮する低環境負荷の冷却水薬品であり、国内コンビナート市場向けの主力商品として販売促進するとともに、海外市場にも積極的に展開していきます。

冷却水系において熱交換器や配管の腐食を防止する水処理薬品では一般的にリンや亜鉛が有効な成分として使用されています。腐食性の高い水質において水処理効果を高めるには、これらの防食成分を高濃度で使用する必要がありましたが、環境負荷低減に向けて各地域で工場排水中のリン・亜鉛などの排水基準が厳しくなっており、より低い濃度での適用が求められていました。

また、世界的に水需要が高まり、水資源の有効活用が求められている中で、産業分野では排水回収水や海水淡水化プラントで造水されたRO処理水など、さまざまな水質の水がコンビナートなどの冷却用水として利用されるケースが増えています。しかし、これらの水は腐食性が高いため、プラントの安定運転を実現するためには、幅広い水質で高い防食効果を発揮する水処理薬品のニーズが高まっていました。

このたび当社が開発した冷却水薬品の新シリーズ「KURITA ST」は、新開発の低分子ポリマー素材の働きで、防食成分を水中で最適な状態に維持し、緻密な防食皮膜を素早く金属表面に形成します。そのため高い防食効果(当社従来商品と比べて防食効果は2倍以上)を発揮し、腐食性の高い水質にも対応できるようになりました。これにより従来よりも薬品使用量を抑え、リン・亜鉛、窒素、CODなどの環境負荷の低減に加えて、ランニングコストの削減も可能となります。また当社では、これらの薬品効果を安定的に発揮させるために開発したセンシング技術、水処理状況を監視する通信技術なども活用して、世界各地域のお客様の技術サポートを実施していきます。

今後も、環境負荷のより低い水処理薬品へのニーズが高まるとともに、世界的にRO処理水や排水回収水を使用する冷却水系は増加すると予測されます。当社では、高い防食効果と低環境負荷を実現する商品として、国内外の石油化学・石油精製のお客様を中心に「KURITA ST」の拡販を推進し、5年後に20億円の受注を目指すとともに、水処理薬品市場でのシェア拡大を図っていく方針です。

  • (*)配管など金属材料の腐食を防止すること