Press Release

2002年

2002年1月24日

~土壌・地下水浄化技術のメニューを強化~
「透過反応壁法」による地下水浄化技術の独占的実施権を取得

同和鉱業株式会社
栗田工業株式会社

同和鉱業株式会社(東京都千代田区丸の内一丁目8番2号、社長 金谷浩一郎)と栗田工業株式会社(東京都新宿区西新宿三丁目4番7号、社長 三東崇秀)は、このたび共同でカナダ国から、トリクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物によって汚染された地下水の敷地外流出防止を目的とした「透過反応壁法」の日本における独占的実施権を取得いたしました。

導入先は、カナダ国、エンバイロメタル・テクノロジーズ・インクです。同社はカナダ国、ウォータールー大学が日本で所有する特許「透過反応壁法」について同大学から独占的ライセンス(特許を実施・販売する権利)を供与されています。

「透過反応壁法」は、汚染地下水の下流域(敷地境界等)に汚染物質の浄化能力を有する鉄粉を含む透過壁を設置し汚染地下水を浄化する技術です。揮発性有機塩素化合物によって汚染された地下水は、透過壁を通過するときに、透過壁中の鉄粉による還元反応により分解され無害化します。(別添図面参照)透過壁設置後は、動力が不要なため、維持管理業務や費用を、代表的な浄化方法である揚水揮散処理と比べて大幅に低減することができます。

同和鉱業と栗田工業は、平成12年2月の業務提携以降、両社が保有する調査・浄化技術や、保有する設備・施設などを相互に活用し、土壌・地下水浄化事業を実施してきました。今回の新浄化法の導入により、両社は、すでに実施している汚染源に直接鉄粉を使用する技術に加え、鉄粉を利用した地下水浄化技術を投入することによって、顧客に対してより多くの浄化法を提供できるようになりました。

すでに実施している鉄粉法は、汚染土壌に特殊鉄粉を直接混合するもので、汚染源対策としては効果的ですが、すでに汚染された地下水の敷地境界等からの流出を止めることはできません。これを可能にするのが今回の技術です。この2つの技術を組み合わせることにより、揮発性有機塩素化合物で汚染された土壌ならびに地下水のいずれにも対応できるようになりました。

今後土壌環境保全対策については、法制化の動きが進むにつれ、潜在化していた調査市場が顕在化することが予測され、その市場は13兆円になるとも言われています。こうした市場拡大の見通しに対して、様々な業種の企業が土壌関連事業への参入を表明しており競争激化が予想されます。

同和鉱業と栗田工業は、土壌・地下水汚染の調査から浄化、処理まで一貫して手掛けており、大きな実績をあげてきておりますが、今後とも業務提携を強化して地球環境保全に配慮するとともに資源の有効活用とリサイクルを進め、社会の環境リスク対策に貢献していきます。

以上