Press Release

2001年

2001年3月21日

燃料電池市場に本格参入
まずアメリカで米国の有力燃料電池メーカーと戦略的パートナーシップを組むことで合意

栗田工業株式会社(東京都新宿区、社長:三東崇秀、以下:当社)は、環境関連の新事業のひとつとして、燃料電池ビジネスに本格的に参入します。米国の固体高分子形燃料電池メーカーとしては最有力である「H Power社(ニュージャージー州クリフトン、CEO:H.Frank Gibbard、以下HP社)」と戦略的パートナーシップを組むことに合意するとともに、同社への出資を行いました。当社は昨年4月、お客様の環境負荷低減という切り口から新しいビジネスを立上げることを目的に、新組織「新事業推進本部(本部長:常務取締役 知野進一)」を設置。土壌環境修復、廃棄物処理の最適化、環境関連アウトソーシングなどとともに環境負荷の低減に直結するエネルギー分野での新事業の開発を進めています。燃料電池は、そのクリーンさから環境問題解決の有力な切り札として注目されております。当社は昨年3月、りん酸形燃料電池と災害対応用の水処理設備等(飲料用浄水機、シャワー等)を組み合わせた「災害対応用燃料電池発電設備」を開発。併せて燃料電池本体に不可欠である水処理システムの開発を進めるとともに、具体的な事業化の方針を探索してきました。この度パートナーとなるHP社は、固体高分子形燃料電池に関して、改質器・セル双方で優れたオリジナル技術を保有するとともに、1998年米国で初めて同電池の商業化に成功。翌年には全米電力協同組合(ECO:Energy Co-Oportunity)と販売契約を締結し、米国での家庭用燃料電池の販路を確保しました。本年後半からはECOに対して合計12,000台の製品供給を開始する予定です。当社は、このHP社の固体高分子形燃料電池に対して、性能・価格面で競争力向上に貢献する水処理システムを開発し、独占的に供給する予定です。また、燃料電池が本格的に普及するためには、基本的にメンテナンス・フリーであることが必要であり、当社の水処理システムはこの点に特に配慮して開発しました。また、当社独自のデータ収集・制御システムである「ベースネットワーク」を応用した24時間監視システムも組み込むことによって、さらに使い勝手の良い仕組みを実現する予定です。当面は、米国における実績を積み重ねることによって、今後急速な拡大が見込まれる世界の燃料電池マーケット、とりわけ家庭用燃料電池のマーケットにおいて事業化を確かなものとするとともに、当社の技術・製品の完成度を高めることを目指します。そして、この米国での実績をもとに、燃料電池の開発・普及を進める国内の電池メーカー、エネルギー業界各社からも、当社の水処理とメンテナンスシステムが「周辺なれど、不可欠」という評価をいただき、広く採用されるようにしたいと考えております。また、水素供給、純水供給等についても新しい切り口からの探索を進めており、将来的には、有力各社とのアライアンスによるエネルギー関連ビジネスへの展開を視野に入れています。

以上